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ブロガーで作家のはあちゅうさんが9月27日、自身のSNSを更新し、AV男優のしみけんさんと事実婚を解消したことを明らかにした。

2人は2018年7月、事実婚を発表。2019年9月に第1子となる男児が誕生している。

はあちゅうさんはブログで、「私たちは夫婦としての一区切りを迎えて夫・妻としての関係は解消することになりました」と報告。現在は別居しており、子どもははあちゅうさんと一緒に暮らしているという。

また、しみけんさんもブログで、「今後は夫婦という形ではなく、パートナーとして協力しながら息子に対して深い愛情を注ぎ続けて行きます」と報告した。

事実婚の解消は、法律婚の場合とどう違うのだろうか。山口政貴弁護士に聞いた。

●住民票に記載していたら異動すれば終わり

--事実婚の解消は、どういった手続きをとりますか。

事実婚というのは、諸事情で婚姻届を出さないまま婚姻生活をしている状態を指します。事実婚の手続きですが、「婚姻届」に相当するような「事実婚届」といったようなものはなく、単に夫婦としての共同生活を始めればそれで足ります。

ただ、事実婚しているという何らかの形を残したい場合には、住民票を異動する際に、続柄の欄に「夫(未届)」「妻(未届)」と記載してもらうことになり、これが俗に「事実婚の手続」と呼ばれるものです。

ですので、逆に事実婚の解消にあたっても、「離婚届」に相当するような「事実婚解消届」といったようなものはなく、共同生活を終了させればそれで事実婚解消となります。

住民票に記載していたのであれば、住民票を異動すればそれで終了です。はあちゅうさんの「事実婚解消手続」というのもおそらくこの手続きのことであると思われます。

--事実婚の解消するにあたって、片方が合意していない場合はどうなりますか。

事実婚であっても、ある程度の法的な保護が認められます。不貞行為(いわゆる「不倫」)をした場合は慰謝料が発生しますし、年金分割や財産分与についても認められるとされています。ただし、相続権はありません。

このように、一定程度法律上の保護があるため、法律婚と同様、事実婚を一方的に解消することはできません。事実婚解消につき相手方の同意が得られない場合は、家庭裁判所に内縁関係調整調停を申し立てる必要があり、そこで事実婚の解消について協議されることになります。

はあちゅうさんの場合は、はあちゅうさんとしみけんさん双方の同意の上で事実婚を解消したため、調停などには進まなかったものと思われます。

【取材協力弁護士】
山口 政貴(やまぐち・のりたか)弁護士
サラリーマンを経た後、2003年司法試験合格。都内事務所の勤務弁護士を経験し、2013年に神楽坂中央法律事務所を設立。離婚、婚約破棄等を専門に扱っており、男女トラブルのスペシャリストとしても知られる。
事務所名:神楽坂中央法律事務所
事務所URL:http://www.kclaw.jp/index.html