シャオミはスマートフォンの高級化を志向してきたが、消費者の十分な支持は得られていない。写真はフラッグシップ機の「Xiaomi 12」(同社ウェブサイトより)

中国のスマートフォン大手の小米(シャオミ)は8月19日、2022年4〜6月期の決算を発表した。同四半期の売上高は701億7100万元(約1兆3982億円)と、前年同期比20.1%減少。純利益は13億6500万元(約271億円)と、同83.5%の大幅減益となった。

投資損益などの一時損益を控除した調整後純利益で見ると、シャオミはすでに4四半期連続の減益となっている。4〜6月期の調整後純利益は前年同期比67.1%減の20億8100万元(約414億円)。直前の1〜3月期比でも27.2%減少した。

シャオミの純利益を押し下げているのは、総売上高の6割以上を占めるスマホ事業の低迷だ。

同社の4〜6月期のスマホ出荷台数は3910万台と、1〜3月期の3850万台からいくぶん回復した。しかし、1台当たりの平均販売単価は4〜6月期は1081.7元(約2万1555円)と、1〜3月期の1188.5元(約2万3683円)から9%低下。その結果、スマホ事業の粗利率は1〜3月期の9.9%から4〜6月期は8.7%に縮小した。

販売現場に在庫圧縮のプレッシャー

「世界的な個人消費の低迷や、中国での新型コロナウイルス流行の反復が、スマホの需要を全体的に押し下げた。そんななか、(実売価格の値引きなど)さまざまな手段で在庫を処分せざるをえなかったことが、利益減少の原因だ」。シャオミの総裁(社長に相当)を務める王翔氏は、決算説明会でそう釈明した。

決算報告書によれば、2022年6月末時点の(部品や仕掛品を含む)在庫の総額は601億5000万元(約1兆1986億円)と、前年同期比3.61%の増加にとどまる。しかしその内訳を見ると、完成品の在庫が1年前の5割増しの324億9000万元(約6474億円)に急増。これは、シャオミの販売現場が引き続き在庫圧縮への高いプレッシャーにさらされることを意味する。


本記事は「財新」の提供記事です

だが王氏は、2022年後半のビジネスを慎重ながらも楽観しているとし、次のように語った。

「年後半には複数の新製品の発表を予定している。また、中国では新型コロナの流行が落ち着きつつあり、海外市場では年末商戦のシーズンを迎える。スマホの販売は徐々に回復に向かうだろう」

(財新記者:劉沛林)
※原文の配信は8月19日

(財新 Biz&Tech)