※この記事は2011年12月25日にBLOGOSで公開されたものです

生前のオサマ・ビンラディン容疑者の映像より（AP/アフロ） 写真一覧
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米国のオバマ大統領は日本時間5月2日、テレビで緊急演説し、2001年9月の米同時多発テロ事件の首謀者として指名手配していた国際テロ組織アルカイダの最高指導者、ウサマ・ビンラディン容疑者（54）を殺害し、遺体を収容したと発表した。

AP通信などによると、ビンラディン容疑者はパキスタンの首都イスラマバード郊外の住居に家族と滞在中だった。ヘリコプターで強襲した米海軍特殊部隊との銃撃戦の末に、頭部を撃たれ死亡したという。オバマ大統領は「正義は達成された」と強調した。

ニューヨーク市の世界貿易センタービルにハイジャックしたジェット機を突入させるなど多数の死傷者を出した同時多発テロは、「9.11」と呼ばれるアメリカ人に大きなトラウマを与えることになった。ビンラディン容疑者は、その首謀者とされていた。これまで死亡説が流れ、また本人の肉声が公開されるなど、その動向にはアメリカ国民のみならず、世界中が10年以上に渡り固唾を呑んで見守ってきた。

これで「テロとの戦い」に終止符が打たれるかのように見えたが、在米ジャーナリストのマクレーン末子氏は、同月5日の「ビンラディン殺害は正義か、報復か」の記事中で、以下のように指摘している。
正義であろうが、報復であろうが、ビンラディン容疑者の命をとることで、米国がおかれている状態は変わらないだろう。市民は同容疑者の死で、テロへの恐怖は終わるかと期待するが、政府は同容疑者を象徴とあがめるテロ集団からの報復を恐れ、主要都市での警備を強化、国民に国内外での起こりうるテロ活動に注意するよう警告を出している。「正義は下された」とはいえ、対テロ戦争は今後も続くのである。
　実際に、同年9月11日の「9.11」10周年の記念日には「アルカイダの報復テロの恐れがある」として米国内に緊張が走る一幕もあった。

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