パワーショベル3台水没・浸水...池の悲惨光景が拡散「どうしてこうなった」 工事管轄の市に聞いた
名古屋市千種区内の平和公園にある池で、パワーショベル3台が水没するなどした様子を撮った写真がツイッターに投稿され、何があったのかと話題になっている。
深い水溜りのようなところに、黄色いパワーショベルが運転席まで水に浸かり、車体の半分ぐらいが水没している。
地下水が入り込んで、沈下してしまった可能性も
さらに、別の水溜りには、アーム部分だけ浮き出て水没したパワーショベルがあった。その近くに、水溜りに一部が浸かって傾いたパワーショベルもあり、悲惨な状況だ。
これらの写真は、2022年5月8日にツイッターに投稿された。視覚的なインパクトがあるだけに、「どうしてこうなったのか」などの声が相次ぎ、リツイートされて拡散している。
桜の名所として知られる平和公園内にある猫ヶ洞(ねこがほら)池でのことだ。この池は、ヘラブナ釣りなどでも親しまれており、名古屋市が、2021年11月上旬から、たまった池底の土砂やゴミを除去する浚渫(しゅんせつ)工事をしている。池の水位を下げていった結果、池底の一部が露出しており、3台はその部分にあった。
一体なぜパワーショベル3台が水没するなどしてしまったのだろうか。
工事を発注した名古屋市の千種土木事務所では10日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明した。
「土砂などに水が入ってきて、土砂が水を含んで軟らかくなり、その上に乗っているパワーショベルが土砂の中に沈下し、さらに周辺の水が入り込んできて水没したと考えています。なぜ水が入ったのかは分かりませんが、地下水位が高いところなので、雨水が徐々に染み込むなどして地下水が入り込んだ可能性もあるでしょう」
千種土木事務所によると、1台は、4月中ごろに水没し、もう1台は、5月6日ごろに水没した。3台目は、後者のパワーショベルを水溜りから引き上げようとして、傾いてしまったという。
重機引き上げなどの追加費用は、業者に負担してもらう考え
3台目については、5月10日の午前中に、同じ大きさのパワーショベルで引き上げ、エンジンがかかったため自走して脱出したことを明らかにした。
水没した2台のうち1台は、クレーン車で引き上げるよう工事の施工業者に指示したとした。この業者は、クレーン会社と打ち合わせ中だという。もう1台は、水溜りの水をポンプでくみ出し、水位を下げたうえで、電装系を交換して自走できるようにしたいそうだ。
パワーショベルは、業者がリースしたものではないかとした。いつまで引き上げなどの作業がかかり、いくらぐらいの費用になるのかは、分からないという。
浚渫工事は、名古屋市が約2億円の費用で発注しているが、パワーショベルの引き上げ作業の追加費用は、業者に負担してもらうという。市では、施工業者に事故がないように工事を行うことを依頼しており、今回の事故が起きても市の費用負担はないとしている。
工事については、当初は3月末で終わる予定だったが、5月末まで延長された。当初は、土砂を処分する想定をしていたものの、プラスチックゴミが大量に見つかり、産廃として処分する必要が出てきたからだという。周辺に墓地が多いことから、花を包むフィルムや買い物用のビニール袋などが風に飛ばされたりして、数十年かけてたまった可能性があるという。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)