総合電商に連鎖倒産

 (株)建商(TDB企業コード:475045191、資本金4000万円、福岡県福岡市博多区下川端町1-1、代表田中智之氏)は、4月8日に福岡地裁へ自己破産を申請した。

 申請代理人は、瓜生修一弁護士(福岡県福岡市中央区舞鶴2-2-11、赤坂門法律事務所、電話092-753-6661)。

 当社は、2019年(平成31年)1月に元親会社で、高圧受電設備の販売やメンテナンスを手がけていた(株)総合電商(東京都中央区)の建築工事部門を会社分割する形で設立。福岡県内を中心とする九州地区を営業エリアとし、大手飲食店経営業者やディスカウントストア業者からの元請けや地場工事業者からの下請けで、店舗の新築工事を主体に一部改修工事を手がけるほか、不動産賃貸もおこない、2020年5月期は年売上高約19億4500万円を計上していた。

 しかし、2021年12月に(株)総合電商が破産したことにより、約2億3000万円の不良債権が発生。この間、代表である田中氏が当社の全株式を取得して独立した運営に切り替えていたものの、親会社の倒産による対外信用の低下や、外注費の負担増、資材価格の高騰の影響もあって厳しい業況を強いられていた。金融機関からの借入やコロナ融資などでしのいでいたほか、不動産を売却し資金不足を補っていたものの、業況は好転せず取引先に対して支払遅延が散発するなど、資金繰りがひっ迫。事業継続が困難となり、今回の措置となった。

 負債は2021年5月期末時点で約5億6500万円だが、今後変動する可能性がある。