コロナ禍前に中国人の爆買いが話題になったのは記憶に新しいが、日本を訪れたことのある中国人からすると、日本は豊かなはずなのに「消費が中国ほど盛り上がっていない」のが不可解だったという。(イメージ写真提供:123RF)

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 コロナ禍前に中国人の爆買いが話題になったのは記憶に新しいが、日本を訪れたことのある中国人からすると、日本は豊かなはずなのに「消費が中国ほど盛り上がっていない」のが不可解だったという。中国のQ&Aサイト知乎にこのほど、日本人が中国人のように消費しない理由について質問するスレッドが立てられ、様々な回答が寄せられた。

 スレ主の中国人ネットユーザーは過去に日本を訪れたことがあるそうで、日本では街中のレストランの数の少なさに驚いたという。北京や上海などでは高級なレストランも含め、飲食店はいつも客でいっぱいなのに、日本ではそのような状況がほとんど見られなかったと述べている。むしろ安さを売りにする店に行列ができていて、「明らかに日本人はお金を節約している」と感じたという。それで、日本人が中国人のように消費しないのはなぜかと質問した。

 これに対し、日本人は確かに節約志向だと認めるコメントは多く、「日本は生活コストの高い国だからではないか」と理由を分析するユーザーもいた。このユーザーによると、中国は物価が安いというだけでなく、音楽など様々なものが無料で楽しめるので生活コストが安く上がるが、日本は何かとお金がかかると説明した。しかし、そのぶん日本は安全で質の高い生活が送れるのに対し、中国の生活コストの安さは「食の安全問題や社会保障の薄さといったリスクに直結している」と指摘した。

 また、スレ主が日本で「日本人は明らかにお金を節約している」と感じたとしても、それは日本の正しい現実かどうかは分からないという指摘もあった。中国人が日本を訪れることができる時点で「ある程度以上の経済力を持つ、中間層以上」であることを示しているからだとし、中国は貧富の格差が大きいことから、「中間層以上の中国人のなかには日本人以上に豊かな人もいるだろう」という指摘は多かった。

 中国経済は今も成長を続けているとはいえ、都市部就労者の平均年収は日本円換算で130万円ほどにすぎない。日本で爆買いしていた中国人のなかには中間層以上の裕福な人も多かったのは事実だが、爆買いだけを見て「全ての中国人が豊かになった」と勘違いしてはならないということだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)