あけましておめでとうございます。本年も『ARUHIマガジン』をよろしくお願いいたします。新年最初の情報は2022年1月の【フラット35】金利動向からお伝えします。

2022年1月の【フラット35】金利

今月の全期間固定金利型住宅ローン【フラット35】(買取型)の金利(最低金利)は融資率9割以下、返済期間21~35年、機構団信加入で1.30%となり12月から0.03ポイント引き下げに。融資比率9割以下・返済期間15~20年の金利は1.18%と、同様に0.03ポイントの引き下げとなりました。

 

 

まとめ

最後に今月の金利変動について、不動産や金融についてその業界の人に匹敵する知見をもつ、公認会計士ブロガー千日太郎さんにまとめていただきます。

長期金利が下がり、2022年1月の【フラット35】金利は下がった

長期金利が下がったことに伴い、2022年1月の【フラット35】(買取型)の金利も下がりました。

2021年12月から2022年1月にかけては、長期金利の変動幅と機構債の表面利率の変動幅、【フラット35】金利の変動幅は概ね近似したものになりました。機構債の表面利率が発表された前日の長期金利終値は0.04%と前月から0.03ポイント下がり、これに対して機構債の表面利率は0.32%と前月から0.04ポイント下がっています。そして【フラット35】(買取型)の金利は0.03ポイント下がり、1.30%となっています。

10月に長期金利が急上昇したことで、12月金利までは【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み(※)からすると少しイレギュラーな動きとなっていたのですが、長期金利が下がってきたため、正常な動きになってきたのだと見ています。

今後はおおむね長期金利の上昇または下降と同じ幅で【フラット35】の金利も動いていくものと予想しています。ただし、10月のように一時的に投資家の債券売りが集中して金利が上がり、長期金利が0.1%を超えそうになるほどに急上昇したならば、あえて【フラット35】の上昇は抑えられると予想しています。なぜなら、【フラット35】は住宅金融支援機構が債権者となる(または債権を保証する)公的融資であるためです。

長期金利の動向としては、米中央銀行が量的緩和政策を縮小することを決定しており、2022年には複数回にわたり利上げを行う可能性が濃厚となっています。新型コロナウイルス変異株の感染拡大が重石にはなっていますが、収束すれば利上げペースに拍車がかかるでしょう。

そうなれば日本の長期金利も米国の長期金利の波及を受けて上昇していくことが予想されます。現時点では本格的な上昇基調には入っていませんが、住宅ローンの実行までは金利の動向に目を配っておき、複数の金利タイプで審査を通しておくことをお勧めします。

※【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み
住宅ローンの【フラット35】(買取型)は、下図のように住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて機構債という形で販売するという仕組みになっています。

フラット35の仕組み

この機構債は毎月20日前後に表面利率を発表し募集します。投資家たちは機構債を国が取り扱う安全な債券という考えで購入しますので、機構債の表面利率は国が発行する債券=10年国債の利回り(長期金利)に連動する傾向があります。