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新型14インチおよび16インチMacBook ProにはミニLEDバックライト画面が搭載され、最大120HzのProMotion(可変リフレッシュレート)技術が採用されています。が、アップル純正のSafariを含む多くのMacアプリが120Hz表示に対応しておらず、滑らかなスクロールができないと報じられています。

これまで上限60Hzだったアップル製品がProMotion対応するにあたり、混乱が起こることは初めてではありません。今年9月に発売されたiPhone 13 Proモデルについても、サードパーティ製アプリでは使用制限がかかっていることが明らかになりましたが、アップルはこの仕様を「バグ」と認めて後日アップデートで修正することを約束しています

しかし米9ot5Macによれば、Macの場合は状況があまりハッキリしていないとのこと。

まず「Mac Catalyst」(iOSやiPadOSアプリをMacに移植しやすくするしくみ)アプリではiOSの動作がそのまま引き継がれているようで、一般的に120Hzで動作します。また全画面のゲームやMetal(アップルのOSでサポートされたグラフィックスAPI)アプリも120Hzでフルレンダリングが可能。macOS自体もProMotion対応しているため、操作スペースの切り替えや、ウィンドウのドラッグも快適となっています。

問題は、ほとんどの標準的なMacアプリがそうではないか、「120Hz表示に対応している部分」と「そうでない部分」があることです。特にProMotionの大きな利点である滑らかなスクロールは、多くのアプリで活用されていないとのこと。最も顕著なのがSafariであり、9to5Macは「パワー全開」イベント中にProMotionに言及したくだりで「(Safariでは)新型ディスプレイの高いリフレッシュレートを活用できる」と強調していたのに……と指摘しています。

またアップルはサードパーティ製アプリについても、開発者向けのサポート文書を公開していないとのこと。例えばGoogle Chromeフォーラムのスレッドでは、Chromium開発者がProMotionを活用したいが、どこから手を付けたらいいのか分からず途方に暮れている様子が確認できます。

ほかiOS/Macアプリ開発者のMoshen Chan氏は、Twitter上でWindows用のChromeを仮想化して動かすことで120Hzスクロールが実現できた動画を公開。それなのにMacネイティブのSafariでは60Hz表示しかできないとぼやいています。

結局のところ、macOSやSafariほか純正アプリ、サードパーティ製アプリを通じて一貫した体験を可能にするには、アップルが解決に乗り出すほかないと思われます。せっかく素晴らしいディスプレイを持ちながらそれを活かせない事態を解消できるアップデートを、速やかに配信するよう望みたいところです。

2021 Apple MacBook Pro

Source:9to5Mac