MacBook Pro Notch
Quinn Nelson氏

新型の14インチおよび16インチMacBook Proの画面には、従来モデルになかったノッチ(上部の切り欠き)が追加されています。アップル側はこのノッチについて、画面が欠けているのではなくコンテンツを表示できるスペースを広げる「スマートな」ソリューションだと説明していました

しかしYouTuberのひとりが、実際はステータスメニュー表示の一部がノッチに隠れてしまうなど、おかしな挙動が起こると説明する動画を公開しています。

YouTubeチャンネルSnazzy Labsを運営するクィン・ネルソン氏(いわゆるハッキントッシュを作ったこともあり)は、「誰がデザインしたんだ!」と題したものを初めとした動画をいくつかTwitterに投稿しています。

まず1つ目は、アプリメニュー(アプリ毎のメニュー。アップルメニューの右側に配置))にノッチの左側に収まらないほどの項目があるとどうなるかを示しています。macOS側はこれをうまく処理し、残りのメニューをノッチの右側に配置するのみ。

しかし、この場合のマウスポインタの挙動には矛盾があります。まず、これらアプリのどれかにフォーカスしている場合、マウスポインタは(アップル関係者が説明したように)ノッチの「後ろ」には移動できません。右に動かすとノッチを横切ってジャンプし、ノッチ内を移動しようとしてもポインタが引っかかるだけです。

かたやFinder にフォーカスがある場合は動作が異なり、ポインタがノッチの中に入り込んだり、隠れてしまったりします。どちらの挙動も一貫していれば使う上で支障はありませんが、アプリ毎に挙動が違うことは戸惑いを招きかねないと思われます。

さらに2つ目の動画では、人気アプリ「iStat」でのステータスメニュー表示が一部、ノッチの後ろに隠れてしまうことを実証しています。iStatの開発者によると、ほとんどのアプリと同じくステータス表示には標準的なNSStatusItemsを使っているにすぎず、何も変わったことはしていないとのことです。

この問題につき、The Vergeのディーター・ボーン氏は「メニュー項目を担当しているチームはこの問題に気付いていたのに、ステータス項目を担当しているチームは気付いていなかったということですね(笑)」と冗談めかして総括しています。つまりアプリメニューでは一応はすべて画面上に表示されている一方で、ステータスバー表示はノッチに隠れてしまい、OSレベルで整合性がとれていないと示唆している模様です。

こうした状況は直ちに実用性を損ねるわけではないとはいえ、少なくともアップルの主張する「スマートな」ソリューションとは程遠いと思われます。とはいえ、まだmacOS Montereyは最初のバージョンが配信されたばかり。こうした問題は後日のOSアップデートで修正されていくと期待したいところです。

Source:Quinn Nelson(Twitter)

via:9to5Mac