グーグルは高評価…有名ペット店の「動物虐待」を告発!皮膚病も放置、無資格注射で致死も
繁殖場内では2頭のパピヨンが1つのケージに押し込められ、身動きが取れない状態に
「近所から『犬が虐待されているのではないか。うるさいし、臭いがすごい』とクレームがきて、保健所が何度も指導に来ていました」
そう話すのは、ホームセンター「スーパービバホーム」佐賀店、熊本中央店、八代店(熊本)、志摩店(福岡)の4店舗にペットショップを出店している「ビバペッツわんぱーく」の関係者だ。八代店はグーグルで星4.9、志摩店は4.8、熊本中央店は4.7など高評価だ。そんな「ビバペッツわんぱーく」経営責任者のA氏が所有する佐賀市内の犬の繁殖場に、苦情が殺到しているという。
10月上旬、現地に赴くと、たしかに繁殖場からは激しい鳴き声が響いていた。山に囲まれた静かな環境にもかかわらず、そこだけは騒々しい。建物の内部の実態について、前出の関係者が明かす。
「繁殖場には、200頭以上の犬がボロボロの檻につめこまれています。掃除もほとんどされないし、建物にはクーラーもない。今年6月には熱中症で十数頭の犬が死にました。劣悪な環境なので、病気になる犬が絶えません。皮膚病に感染したり、ストレスで血便を出す犬もいましたが、売り物ではなく、繁殖用のため治療をせず放置するんです」
なかには、診断をした獣医が「今どきこんな病気が出るのか」と驚くような感染症が広がったこともあったという。
この “虐待” は、繁殖場内だけではなく、「ビバペッツわんぱーく」の店内でも、おこなわれていたという。
「A氏は、繁殖場が手狭なので、店舗のバックヤードも繁殖場として利用しています。1頭専用のケージに数頭をつめこむなどして、100頭以上いたこともあります」
さらにA氏は獣医師法に違反する行為をおこなっている。
「各店舗のバックヤードの冷蔵庫には、ワクチンや薬剤が保管してありました。A氏は、獣医師の免許がないため許されていないはずなのに、自らの手でワクチンを打ちます。また、販売用の犬の体調が悪いと、自己判断でズブズブと注射していくんです。中毒症状を起こし、死ぬ犬が何頭もいました」
バックヤードには、生きているとは信じられないようなボロボロの犬が放置され、狭い檻の中では数頭の犬が「出してくれ」と言わんばかりに吠え続ける。本誌が入手した数多くの写真や動画には、「ビバペッツわんぱーく」内で常態化した “虐待行為” が納められていたーー。
A氏の刑事責任を問うべく、佐賀県警や福岡県警、熊本県警に対し告発状を提出した人物がいる。動物愛護団体「ANGELS」の林俊彦理事長らだ。林氏はこう語る。
「店舗の関係者からの相談を受けたのがきっかけでした。法令違反の行為がいくつもあったので、告発に踏み切りました。佐賀県警は告発状を受理しているので、早急に実態の解明をお願いしたいです」
ペット業界に詳しい中間隼人弁護士はこう話す。
「資料を見る限り、今回のケースは、狂犬病予防法や動物愛護法、獣医師法などの違反に問われると思います。なんらかの刑事処分が下される可能性はあるでしょう」
はたして、A氏はどう反論するのか。店舗に電話をかけると、A氏に代わり共同経営者と名乗るB氏が電話に出た。
「告発状については把握していますが、その内容は事実無根です。バックヤードで注射したことなどありません。たしかに飼育頭数が多すぎたので、減らしたいと思っていました。ケージについても、法改正に合わせて広いものを使おうと思っていたところです」
ビバペッツを展開するビバホームに問い合わせたところ、「ビバペッツわんぱーく」についての管理は、株式会社ペッツバリューがおこなっており「ペッツバリューから連絡を受けておらず(虐待について)存じません」と回答した。そこでペッツバリューに事実確認をおこなったところ、A氏との契約については認めたうえで、虐待については「現在確認中のためご回答いたしかねます」との回答だった。
空前のペットブームといわれる昨今。ブームに便乗し、命を蔑ろにする悪徳業者を許してはならない。
(週刊FLASH 2021年11月9日・16日合併号)