救助された猫(航海士提供)

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「今から救出作業にはいる」――。停泊中の船に潜り込んだ猫を見つけた航海士の行動が、ツイッターで称賛を集めている。海に飛び込んで、陸に戻れなくなった猫を助けにいったというのだ。

J-CASTニュースは2021年9月22日、この航海士に救出作戦の一部始終を取材した。

万全な対策を行ったうえで救助

猫を発見したのは20日の昼過ぎのこと。船から買い物に出ていた航海士が戻ると、船底の舵(ラダー)にロープか何かが引っ掛かっているように見えた。近づいて確認すると、舵の部分に猫がしがみついていた。

陸までは距離があり、自力では戻れない様子だった。そのため、海上保安庁や消防に電話で相談したが、対応できないとの返答を受けたため、航海士は自ら猫を救出することを決意する。

猫が潜り込んだのは、航海士が勤める会社の船。社長の許可を得たうえで、救出作業に取り掛かった。

猫を運ぶため、船にあった買い物かごを用意した。自身の安全対策として、救命浮輪や救命胴衣、ロープなどを準備。まだ9月とはいえ、水中での体温調節にも気を使った。さらには乗組員3人に立ち会ってもらうなど、入念な対策を行ったうえで、海に飛び込んだ。

海を泳いで猫の元へ向かった航海士。陸側から下ろしていた買い物かごに猫を避難させ、それを上にいた乗務員に引き上げてもらうことで、無事に猫を救助することができた。

猫はおびえていたのか、陸に上がるなり一目散に逃げて行ってしまったが、航海士は

「猫ちゃん無事で何より」

と安堵した。

海上サバイバル訓練の経験が生きた

今回の救出劇は、航海士がツイッターで実況したことで注目を集めた。投稿には、航海士をねぎらう声も多数寄せられている。

「よかったどうなったか気になっていたので。素晴らしい お疲れ様でした!!」「お疲れ様です!あとで猫の恩返しありますよ絶対「どちらも無事で良かったです!猫ちゃんもいい人にみつけてもらえて幸せですね」

こうした反響について、航海士は驚きをあらわにする。

「まさかこんなにまで反響があるとは思いませんでした汗汗ある意味SNSの怖さを痛感しました(笑)」

猫を救出したのは、船長代理兼1等航海士。海上サバイバル訓練も積んでいるという。今回の件については、そうした経験が生きたと振り返ったほか、救出を許可した社長や手伝ってくれた仲間たちへの感謝の言葉も忘れなかった。

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)