プロの技で失敗なし!絶品「トマトファルシ」|楽々おうちビストロ術 #2
手軽で華やか!気鋭のシェフに教わる「トマトファルシ」レシピ
家庭で実践できるビストロ料理を、新進気鋭のシェフに教えてもらう本連載。第二回は、フランスの家庭料理「トマトファルシ」を紹介します。
ファルシとは、肉や魚、野菜などの中に別の具材を詰めた料理のことで、トマトの中にひき肉を詰めたのがトマトファルシです。
「トマトのファルシは、まさに田舎のおばあちゃんが作ってくれる代表的な家庭料理。お店ではラムひき肉を使っていますが、今回はご家庭で馴染みのある豚と牛のあいびき肉で再現しています」
材料(2人分)
・トマト……2個(硬めのもの)
・ひき肉(豚・牛の合いびき)……80g
・タマネギ……30g(小さいものなら半分くらい、大玉なら4分の1程度)
・モッツアレラチーズ……30g
・サラダ油……適量
・塩、コショウ……少々
・白ワイン……適量(クセのないスッキリ系がおすすめ)
・パセリ……少々
・生クリーム……少々(仕上げのソース用)
・バター……10~15g(仕上げのソース用)
<ジャガイモのピューレ>
・ジャガイモ……1個
・生クリーム……少々
・塩、コショウ……少々
下準備:付け合わせ「ジャガイモのピューレ」を作る
1. ジャガイモをゆでて皮をむき、潰してマッシュ状に
2. ジャガイモが温かいうちに、少し温めた生クリーム、または牛乳で好みの具合にのばす。塩、コショウを少々加えれば完成
作り方(6ステップ)
1.トマトのヘタをカットし、中身をくりぬく
スプーンの柄を使って、トマトのふちを一周させるようにしてくりぬきます。カットしたヘタ部分は飾りのフタに、くりぬいた中身はソースに使うため、別に取っておきましょう。
くりぬいた部分にキッチンペーパーを詰め、逆さにして最低30分ほど置いて水を切っておきます。
「トマトは完熟したやわらかいものを使うと崩れてしまうので、硬めがおすすめです。お店では、完熟してもやわらかくならない品種『桃太郎トマト』を使っています」
2. ひき肉とタマネギを炒めて、肉ダネを作る
フライパンにサラダ油を薄めにひき、ひき肉が茶色くなるまで炒めます。
「ひき肉を炒めているとかなり油が出てくるので、キッチンペーパーで少し拭き取ってください。すべて取ると旨味がなくなってしまうので、油を少し残しておくのがポイントです」
タマネギを加えて軽く炒めます。白ワインと塩、コショウ(各少々)を加えて、タマネギが半透明になったらOK。粗熱を取っておきましょう。
「肉を生のまま詰めてオーブンで焼くこともありますが、トマトの焼き加減がむずかしいんです。あらかじめ炒めた肉ダネを入れたほうが、肉の臭みや油っぽさも抜けて失敗しにくくなります」
3. トマトに肉ダネと、輪切りにしたモッツアレラチーズを詰める
くりぬいたトマトを器に見立て、中に肉ダネ→モッツアレラチーズ→肉ダネ→モッツアレラチーズ、と繰り返して詰めていきましょう。
4. トマトをオーブンで焼く
中身を詰めたトマトとカットしたヘタの部分を、180~200℃のオーブンで10~15分程度焼きます(焦げすぎないよう、表面に少し油をかけておく)。
「はじめは低めの温度で焦がさないように。中の具材は火が通っていますし、トマトも生のまま食べられるので、あとで温度を上げて焼き色を付けていきましょう」
5. トマトの中身と生クリームでソースを作る
最初にくりぬいたトマトの中身、白ワイン30ccを鍋に入れて、トマトをフォークで潰しながら火にかけ、ふつふつと沸騰させます。(よりなめらかに仕上げるなら裏ごしする)
さらに生クリームとバターを加えて溶かしていきます。塩、コショウを少々入れて、味を調えましょう。
「トマトの酸味が苦手な人はクリームを多めで。また、生クリームがない場合は牛乳で代用してもOKです。その代わり、バターを少し多めに入れて脂肪分を足してください」
6. 盛り付けて完成!
あらかじめ作っておいたジャガイモのピューレ、その上に焼いたトマト、ヘタ部分で蓋をします。そこに温めたソースをまわりに回しかけ、上からパセリを散らせば完成です。
トマトのフレッシュ感、お肉の旨味、チーズが相性抜群!
トマトの中にお肉の旨味が凝縮され、そこにとろけたモッツアレラチーズが加わり、すべての相性が抜群です。
ほどよく残ったトマトのフレッシュさ、タマネギの甘さや食感があと口をさっぱりさせてくれます。ジャガイモのピューレと、トマトベースのソースも一緒に口に運べば、よりマイルドに。トマトのおいしさを余すことなく堪能できます。
余った肉ダネは、耐熱容器に入れて上からチーズかけて焼けば、あっという間に別の料理へ。また、ジャガイモのピューレと合わせてコロッケ風にするのもおすすめです。ジャガイモのピューレは作り置きしておくと便利ですよ。
「お肉料理なので赤ワインと一緒にぜひ。グルナッシュやシラーなどの品種で、果実味のある濃い目の赤ワインがおすすめです」
来週18日(金)は「豚肉のビール煮」を紹介!
次週は、フランスのなかでもベルギーに近い地域の伝統料理「豚肉のビール煮」を紹介します。夏には欠かせないビール、今年は飲むだけなく、料理にも活用するのはいかがでしょう?
取材・文/島田みゆ
撮影/岡崎慶嗣
取材協力
店舗名:bistrot semaille(ビストロスマイユ)
公式SNS:https://www.facebook.com/bistrotsemaille/
電話番号:070-4466-3968
最寄駅:京王線幡ヶ谷駅 徒歩3分
郵便番号:151-0066
住所:東京都渋谷区西原2-28-4 宮嶋ビル 1F
市区町村:渋谷区
町域:西原2-28-4 宮嶋ビル 1F
営業時間:18:00~22:30木~日のみランチ営業あり11:30~14:30(L.O.13:30)
定休日:火曜日