by Cesar Solorzano

Googleがスマートフォンやタブレットの読み込み速度を高めるとして推し進めてきた「Accelerated Mobile Pages(AMP)」について、Google検索やGoogleニュースなどにおける「AMPの優遇」が2021年6月に終了します。

Google AMP is dead! AMP pages no longer get preferential treatment in Google search | Plausible Analytics

https://plausible.io/blog/google-amp

Google Search ranking factoring 'page experience' from June - 9to5Google

https://9to5google.com/2021/04/19/google-search-page-experience/

2020年5月、GoogleはGoogle検索の表示順位を決定するアルゴリズムについて大規模な改修を行い、「ページエクスペリエンス」という指標を新たに重視すると発表しました。

GoogleがGoogle検索の表示順をページエクスペリエンス重視に変更すると発表、一体何が重視されるのか? - GIGAZINE



新たに重視されるページエクスペリエンスは、ウェブページの読み込み速度・応答性・視覚的安定性を中心とする新規指標「Core Web Vitals」並びにモバイルフレンドリー、セーフブラウジング、HTTPSセキュリティ、煩わしいインタースティシャルに関するガイドラインなどの既存の指標を組み合わせて総合的に算出されます。Google検索においては、このページエクスペリエンスが高いページが同種のページの中でも上位に置かれます。

これまでGoogleはモバイル版のGoogle検索において、トップニュースとして扱われるためには「AMP」のサポートが必須としていました。しかし、前述のページエクスペリエンス導入を機にAMP要件を撤廃すると発表。AMP優遇を取りやめるとしました。

2021年4月19日に公開された以下のページを見ると、モバイル版Google検索のトップストーリーやカルーセル機能にAMP形式を使用する必要をなくして非AMPコンテンツの使用を今後拡大するという旨や、AMPコンテンツを示すAMPバッジを撤廃するという旨が明記されています。

ページ エクスペリエンスの更新に対応するための期間、ツール、詳細情報 | Google 検索セントラル ブログ

https://developers.google.com/search/blog/2021/04/more-details-page-experience?hl=ja



下記のページエクスペリエンスに関するFAQでは、AMPは検索結果に無関係であると明記されています。

Core Web Vitals & Page Experience FAQs (Updated: March 2021) - Google 検索セントラル コミュニティ

https://support.google.com/webmasters/thread/104436075/core-web-vitals-page-experience-faqs-updated-march-2021



2020年11月の発表においては、このページエクスペリエンスの導入時期は「2021年5月」とされていましたが、前述の4月19日の発表では導入時期がややずれ込んで「2021年6月中旬」となっています。

GoogleはAMPについて「モバイルでのウェブサイト閲覧を高速化するために最適化されている」「ウェブ向けのユーザーファーストなエクスペリエンスを簡単に創出できる」と主張してきましたが、ウェブアナリティクス企業のPlausibleによると、実際には「AMPページのほうが遅い」ということがよくあったとのこと。

Googleはページエクスペリエンスに関するFAQの「Q:What else do I need to consider if I decide to stop using AMP?(AMPの使用をやめることにした場合、他に何を考慮する必要がありますか?)」という項目の中で、「AMPはDiscoverフィードにコンテンツを表示するための要件でもなければ、ランキング要件でもありません。ただし、AMPの記事カードは自動的に大きなサムネイル画像が使用されるので、クリック率が高くなります。従って、AMPを使わない場合は、大きなサムネイル画像を表示させるために『max-image-preview:[large]』などのRobotsメタタグを使ってください」と推奨。AMPの今後については「AMPへの投資を継続し、優れたユーザーエクスペリエンスを提供するウェブページを提供するというAMPプロジェクトの目標を強く信じています」と記しています。