新型コロナウイルスに感染し軽症で済んだのに、倦怠(けんたい)感や脱毛、においや味がしないといった後遺症に長期間苦しむ人が相次いでいる。発症のメカニズムは分かっておらず、根治療法もない。専門医は、生活の質(QOL)が低下しかねないとして「若くて持病がないからコロナにかかっても大丈夫、と油断しないで」と感染対策を引き続き徹底するよう呼び掛けている。 (下崎千加、斉藤幸奈)

 「俺、足の指が変なんやけど」。福岡市の中学2年の男子(14)が気付いたのは、今年の正月だった。左足の小指、薬指、中指が紫色に腫れ上がっていた。「まるで霜焼けみたい」

 男子は年末に感染が判明した。毎週通っているスポーツ教室で複数の感染者が出ていた。自宅療養中に38度の発熱、頭痛やせきもあったが1日で改善。足の指が腫れたのはその2日後で、1カ月ほど続いた。

 さらに登校を再開してから、時折「きつい。気持ち悪い」と部活を休むようになった。みそ汁を飲んで「これ、においせんね」と言うこともある。母親が保健所に連絡すると「そういうこともあると聞きます」と言われた。「コロナが軽くて良かったと安心していたら、こんなことになるなんて」と母親は案じる。

 昨年12月初旬に感染した会社員の女性(29)は、だしのうま味など、和風の繊細な味を感じにくい状態が2カ月以上続いている。

 感染に気付いたきっかけは、ハンバーガーの味が全くしなくなったことだった。当初の鼻詰まりや倦怠感はすぐに良くなり、キムチなど強めの味や香りは1週間ほどで感じるように。でも鍋料理や肉じゃがは今も難しい。女性は「最近、味が濃い物ばかり食べたくなる。味覚が戻っていない影響だろうか」と心配する。

 37度台の熱が数日続き、軽症者用ホテルで療養した福岡県太宰府市の50代男性は、感染から9カ月たった今も倦怠感がある。「感染した時と同じ体のだるさや息苦しさを感じて、再発を疑って熱を測っても平熱という日々が続いている」。体質が完全に変わってしまったようだという。