「全豪オープン」試合前スタッツ:3回戦/ノバク・ジョコビッチVSテイラー・フリッツ

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世界王者にして昨年の覇者ノバク・ジョコビッチ(セルビア)と、第27シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)が対戦する。過去2回の対戦はいずれもクレーコートだったが、ジョコビッチがストレート勝利。グランドスラムでの対戦は今回が初となる。

ジョコビッチは今大会2回戦のフランシス・ティアフォー(アメリカ)戦を含めアメリカ人選手に16連勝中。ジョコビッチが最後にアメリカ人選手に負けたのは、2016年「ウィンブルドン」3回戦のサム・クエリー(アメリカ)戦だ。ジョコビッチのアメリカ人選手との対戦成績はグランドスラムでは27勝3敗、通算では67勝11敗。


ジョコビッチはグランドスラムでこれまでに52回、4回戦に進出しており、これはテニスのオープン化以降、ロジャー・フェデラー(スイス)の67回に続く2位の記録。3位はラファエル・ナダル(スペイン)の48回。


また「全豪オープン」での4回戦進出は13回でナダルと並んでおり、フェデラーの18回に次ぐ2位タイ。ジョコビッチはこれが17回目の「全豪オープン」出場だ。


今大会1回戦でジョコビッチは世界61位のジェレミー・シャルディ(フランス)に6-3、6-1、6-2でストレート勝利。2回戦では世界64位のティアフォーを6-3、6-7(3)、7-6(2)、6-3で破っている。


ジョコビッチはここで男子シングルスの大会最多記録である8回の優勝を遂げている(2008年、2011-13年、2015-16年、2019-20年)。昨年は決勝でフルセットの末にドミニク・ティーム(オーストリア)を破っての優勝だった。


グランドスラムではフェデラーとナダルの20回に次ぐ17回優勝。ここでの8回、「ウィンブルドン」5回(2011年、2014-15年、2018-19年)、「全米オープン」3回(2011年、2015年、2018年)、「全仏オープン」1回(2016年)。今大会にはグランドスラム優勝経験者が5人出場していたが、そのうちスタン・ワウリンカ(スイス)とマリン・チリッチ(クロアチア)は既に敗退している(あとの2人はナダルとティーム)。


グランドスラムの1大会で8回以上の優勝を遂げているのはジョコビッチ、ナダル(「全仏オープン」13回)、フェデラー(「ウィンブルドン」8回)の3人だけ。


30歳以降に「全豪オープン」で2度の優勝を遂げたのはジョコビッチ、フェデラー、アンドレ・アガシ(アメリカ)、ケン・ローズウォール(オーストラリア)の4人だけだ。今回優勝すれば、ジョコビッチは30歳以降に3度優勝した初めての選手となる。


またジョコビッチは30歳以降に5回グランドスラムで優勝しており(「ウィンブルドン」2018-19年、「全米オープン」2018年、「全豪オープン」2019-20年)、今回6度目の優勝を遂げれば、ナダルのオープン化以降の最多記録に並ぶことになる。


ジョコビッチはここまでグランドスラムで298勝45敗。オープン化以降の勝利数でフェデラーの362勝59敗に次ぐ2位で、3位はナダルの284勝39敗、4位はジミー・コナーズ(アメリカ)の233勝49敗、5位はアガシの224勝53敗。


2020年、ジョコビッチは「全仏オープン」決勝でナダルに0-6、2-6、5-7で敗退。ジョコビッチがグランドスラム決勝で0-6でセットを取られたのはそれが初めてのことだった。「全米オープン」では4回戦のパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)戦の途中で、誤って線審にボールを当ててしまい失格となった。


また2020年「ATP500 ドバイ」「ATP1000 ウェスタン&サザンオープン」「ATP1000 ローマ」で優勝。すべてのATP1000大会で2度以上の優勝を遂げているのはジョコビッチだけだ。


今大会前には前回覇者として国別対抗戦「ATPカップ」に出場、デニス・シャポバロフ(カナダ)とアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)から勝利を挙げたが、セルビアはグループステージで敗退した。


通算81回の優勝は、オープン化以降ではコナーズ(109回)、フェデラー(103回)、イワン・レンドル(アメリカ、95回)、ナダル(86回)に次ぐ5位。


ジョコビッチは既に3月1日のランキングで世界1位在位通算310週となり、フェデラーと並ぶことが確定している。


一方のフリッツは現在23歳、世界31位だが、キャリアハイは2020年3月の24位。「全豪オープン」は5回目の出場で、これが3年連続3度目の3回戦進出だが、4回戦進出に成功したことはまだない。グランドスラムは18回目の出場で、ここの他には2020年の「全仏オープン」、2018年と2020年の「全米オープン」でも3回戦に進出している。


今大会では1回戦で世界46位のアルベルト・ラモス ビノラス(スペイン)を7-6(6)、3-6、6-2、7-6(6)、2回戦で38位のライリー・オペルカ(アメリカ)を4-6、7-6(6)、6-7(4)、7-6(5)、6-2で破っての3回戦進出。


2020年にフリッツは「ATP500 アカプルコ」で決勝進出、ナダルに敗れた。フリッツの決勝での戦績は1勝4敗。


今大会前には「ATP250 メルボルン2」に出場、初戦は世界92位のフェデリコ・コリア(アルゼンチン)にストレート勝利したが、シャルディに敗れた。


フリッツの対トップ5戦績は1勝8敗で、1勝は2019年「レーバー・カップ」でのティーム戦。当然グランドスラムでトップ5選手に勝ったことはまだなく、グランドスラムで勝利を挙げた最もランキングの高い選手は2019年「全豪オープン」での当時世界33位だったガエル・モンフィス(フランス)。


フリッツは最近5試合の5セットのフルセットマッチ中4試合で勝利している。1度の敗戦は2020年「全米オープン」3回戦のデニス・シャポバロフ(カナダ)戦。「全豪オープン」でのフルセットでは2勝1敗、通算では4勝5敗である。


フリッツは元ジュニア世界ランキング1位で、2015年「全米オープン」ジュニアの覇者である。両親も元プロテニス選手で、母キャシー・メイ フリッツ(アメリカ)は元トップ10選手だ。


3連覇を狙うジョコビッチ相手に、グランドスラム初の4回戦進出がかかるフリッツはどこまで対抗できるか。


(テニスデイリー編集部)


※写真はジョコビッチ(左)とフリッツ(右)