左上から時計回りに、石橋貴明、木梨憲武、安田成美、鈴木保奈美

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《今、パッと出てきたのは「とんねるず」かな。見たいね。(略)僕がこの世界に入る前から(テレビに)出ている人ですから、この世界に入る前から見てる人って、やっぱり今だって楽しいし、(会ったら)まだちょっと緊張もするし》

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 自身のラジオ番組『中居正広 ON&ON AIR』(ニッポン放送、1月9日)にて、リスナーから「復活してほしいテレビ番組」を聞かれた中居正広は『とんねるず』の名前を挙げた。2018年3月をもって終了した『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)以後、2人によるレギュラー番組はないままだ。

「時代を先取るニューパワー!」

 2020年で結成40周年を迎えた、石橋貴明と木梨憲武による同級生コンビ『とんねるず』。間違いなく昭和、そして平成と「テレビがおもしろかった時代」を牽引してきたお笑いコンビだ。

「前身番組の『みなさんのおかげです』から30年続き、数々のヒット企画や流行を生み出してきた『みなさん〜』。視聴率も毎週20%を超える人気番組でしたが、時代が変わるにつれて過激な放送内容にクレームが寄せられることもしばしばあり、次第に視聴率も降下線をたどっていきました。

 昨今では“とんねるずはオワコン”などと揶揄(やゆ)する見向きもありますが、1月2日に放送された『とんねるずのスポーツ王は俺だ!!』(テレビ朝日系)でプロスポーツ選手やタレントの魅力を引き出す腕前は健在。昔のVTRを見直しても、やってることは無茶苦茶だけどやっぱりおもしろい(笑)」(放送作家)

“テレビの申し子”の次の一手

 冒頭の中居も含めた40代以上の方々は、とんねるずの番組を観て育った世代とも言える。テレビ放送翌日には、学校の話題で持ちきりとなった。

「『ダウンタウン』や『ウッチャンナンチャン』らとともに、時に“第三世代”とも称されますが、ナイナイ岡村(隆史)さんが“とんねるずに憧れて芸人になった”と公言するように、ほかの芸人とすこし異なるところがあります。それは、漫才師やコント師として注目を浴びた彼らとは違い、『とんねるず』は生粋の“テレビの申し子”。テレビ制作に携わるテレビマンにも大勢の“信者”がいます」(前出・放送作家)

 実際、2020年6月に石橋が開設したYouTubeチャンネル『貴ちゃんねる』の仕掛け人は、とんねるずの番組に関わってきたテレビディレクターの“マッコイ斎藤”こと斎藤誠氏だ。58歳にしてユーチューバーデビューを果たした石橋とともに、テレビ番組の企画とは一線を画した大胆な企画で大暴れし、「チャンネル登録者数」も150万人に迫る勢い。

「最近では香取慎吾ら『新しい地図』とコラボ企画も実現して話題になりました。他にもタカさんはネットテレビ『AbemaTV』で番組を不定期配信していますし、今はユーチューバーがもてはやされてテレビに呼ばれる時代。実際、YouTubeデビューから2か月後の8月には20年ぶりのNHK出演も果たしましたし、今後の活躍次第ではテレビ番組を新たに任されてもおかしくはない」(前出・放送作家)

 現在、石橋が地上波で持つレギュラー番組は深夜番組『石橋、薪を焚べる』(フジテレビ系)のみだが、このネット経験でさらにパワーアップした“破天荒”ぶりが見られるようになるか。

木梨の次男が“アーティスト”デビュー

 一方で、芸人よりもアーティスト活動が目立つ木梨憲武のこの頃。1994年に『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』(日本テレビ系)内の企画で初個展デビューしてから27年、今年も2月に『木梨憲武展』開催を控えている。

「ノリさんのアートといえば、器用な手先から生まれる独創的で細やかなペン画も特徴の1つですが、この才能を引き継いでいるのが次男の銀士君。彼は著名なデザイナーを輩出する、イギリスのロンドン芸術大学内のカレッジのひとつ『セントラル・セント・マーチンズ』に通う学生で、2019年には南青山で個展を開いた実績もあります。

 昨年8月にも絵画展開催を控えていたのですが、新型コロナ感染拡大の影響により1年延期されたそうです。ノリさんのことですから、将来的には親子展も考えているかもしれませんよ」(テレビ局関係者)

 とはいえ、完全にテレビから離れたわけではく、木梨なりの“矜持”があるようで。

 2020年12月31日のお昼過ぎに放送された『木梨の輪。』(フジテレビ系)では、木梨とはプライベートでも交友がある佐藤浩市や中井貴一、江口洋介らが集結。

「そんな豪華俳優陣らが番宣をするでもなく、餅をついたり体力測定をしたりとゆる〜い企画。浩市さんの“今日来てくれたメンバー、仕事じゃないんだよね”という言葉が妙に納得させる内容でした。まさに“好きな人と好きなことを好きな時にやる”という、木梨さんらしさ全開の番組でした」(テレビ誌記者)

 年が明けた2021年1月1日には、BSフジで『木梨目線! お正月4時間スペシャル』が放送されたのだが、こちらもお馴染みの実家『木梨サイクル』を訪れたりと“木梨スタイル”を地でいく内容。これが今の彼にとって、ちょうどいいテレビとの付き合い方なのかもしれない。

 そんな夫たちに反するように、テレビ露出が増えていったのが“とんねるずの女房”たち。

「ノリさんは基本的に自由人。“テレビ時代”はだいたい家を空けていて、アートにハマるとアトリエにこもることも多く、進路なども含めて子どもについては成美さんに任せがち。そのため奥さんには頭が上がらずに、結婚から26年経つ今も、奥さんの機嫌を取るためか定期的に外食デートに誘っているそうです(笑)」(芸能プロ関係者)

 1994年に木梨と結婚、3人の子どもを授かった安田成美は育児のために仕事をセーブしていたが、長女が小学校に入学した頃から本格的な女優復帰を果たした。

 芸能ジャーナリストの佐々木博之氏も「この夫婦は安泰」と太鼓判を押す。

「一時は不仲説も書き立てられましたがそんなことはなく、憲武さんはテレビで見るままの人で、成美さんにもやさしく大事にしているみたいですよ。彼女も適度に仕事を入れていますが、それ以上に自分と家族の時間を大切にしているという話です」

 2020年4月に自身のエッセイ出版に伴うインタビューで、《相手を尊重することですかね。当たり前だと思わないで、ありがたいと思うこと》と“夫婦円満の秘訣”を話していた成美。続けてこんな人生観を語っていた。

《私は、今が一生続くとは思っていなくて、この関係がいつ終わるかわからないぐらいの覚悟はしているんです。だから、今日感じたことはなるべく今日言おうとか、思った時にありがとうっていう気持ちを伝えようと。明日どうなるか分からないですから》

 すでに“卒婚”を見すえたかのような妻の声は、無邪気な夫に届いているのか。

石橋と保奈美に“離婚説”が

 かたや石橋の妻・鈴木保奈美には“暗雲”が。1月15日に『NEWSポストセブン』が、彼女が3億円相当の“別宅”マンションを購入していたことを報じたのだ。昨年2月には『婦人公論』の対談で《なぜこれほど気を使って家族のために時間を使わないといけないんでしょう》と、生活に不満を漏らしていたこともあり“おひとりさま”準備ともされた。

 果たして、夫婦生活は破綻しているのだろうか。前出の佐々木氏も「たしかに年末、彼らの“離婚はあるかも”という情報が動いていた」と打ち明ける。

「昨年、保奈美さんが個人事務所を設立したことが発端でした。彼女は石橋さんが代表を務める芸能事務所『アライバル』に所属していますので、独立でもしない限りはわざわざ新事務所を構える必要はないように思えます」

 1998年の“できちゃった婚”で、ほぼ引退同然で家庭に入ることになった保奈美。それから約10年後、育児がひと段落したのを機に『アライバル』に所属して仕事復帰を果たしたのだが、当初はぎこちなさも見えるもさすがは元トップ女優か、徐々に“勘”を取り戻したようだ。

 最近では、織田裕二主演ドラマ『SUITS』(フジテレビ系・2018年、2020年)、柴咲コウ主演ドラマ『35歳の少女』(日本テレビ系、2020年)で脇で光る演技を見せたことで、ドラマ界でのポジションをガッチリ確保している。

「そこに来て、仕事部屋とは思えない億ションの購入は“卒婚”準備と疑われても致し方がない(苦笑)。ですが、実際のところは夫婦仲自体は悪くはないと思います。石橋さんは結婚後、浮いた話はおろか夜な夜な飲み歩いているなどの話も聞きませんから、意外とまっすぐ帰る真面目でマメな人なのかもしれません」(佐々木氏)

 一方で、保奈美が2018年11月に『SUITS』の番宣で『TOKIOカケル』(フジテレビ系)にゲスト出演した際に、「スーパーのお買い得商品が大好き」という話になり、

《(私が買って)持って帰って冷蔵庫に入れておくと、うちの夫が“なんでお買い得買ってくるの?”って》

 保奈美は「オススメの良い商品」だという認識に対して、石橋は「早く処分したい商品」という価値観のズレがあることを明かした。石橋が料理を作ってくれることには感謝しつつも、その際には冷蔵庫をチェックされるという話も披露していたのだ。

「“だから嫌だ”と思っているとも考えられます(苦笑)。昨年は石橋さんもテレビの仕事が少なくなり、それこそコロナ禍で外出自粛が呼びかけられたことで、自宅にいる時間が増えたことでしょう。

 ただでさえ子どもが手を離れてからは旦那との時間が多くなるわけで、それを保奈美さんが“うっとうしいな”と思っていたら……」(佐々木氏)

 先のインタビューでも《子どもはそれぞれ部屋があるのに、「あれっ、私は?」って思いますよね》と、自宅に自分の部屋がなく、エッセイを書くのはリビング、台本読みはお風呂や車の中と話していた保奈美。大女優の“仕事部屋”として、また夫から逃れるための“自室”と考えたらマンション購入もなくはないーーのか。

とんねるずの“復活”はあるのか

 では最後に、2人はまた「とんねるず」として出演して、テレビをおもしろくすることができるのだろうか。

「小室哲哉さんと同様に築いてきた時代が終わったという感じがしますので、それは難しいかもしれません。功労者なのは間違いないのですが、若い世代はわからないでしょうが、石橋さんの持ちネタの“オナラじゃないのよ”などの下ネタや、“パワハラ”要素を含む言動で笑いをとることが許された時代だからこそ。

 今はコンプライアンスが厳しくなり、各局が視聴者やネットの目を恐れて自粛する、“とんねるずらしい芸”が放送できない時代なんです。なので、“見たい人が見る”YouTubeなどのコンテンツで新しい方向性を見出すかもしれませんし、2人にはそれだけのパワーがまだあると思います」(佐々木氏)

 “時代のせい”だと言い訳せずに、再び新しい時代を築いてくれるだろう。