伊藤健太郎「隣家に吸い殻投げ捨て」近所の悪評と、大好きな母親にさせた懺悔
《厳しい言葉で成長させてくれた大人たちを毛嫌いし“天狗”になっていった伊藤》
《売れない年上には「うっす」か挨拶なし》
《現場に遅刻してくることもたびたびあり、時には、酔ったままの状態で現場に来たこともあった》
《目上の人にタメ口で話して怒らせたり、遅刻したり、現場に二日酔いで現れるなどやんちゃな面があったが、周囲から注意されるたびに不満を爆発させていた》
道交法違反(ひき逃げ)容疑などで10月29日に逮捕された俳優の伊藤健太郎。ひき逃げという卑劣な犯罪だけでなく、撮影現場など仕事の面でもあらわれていた素行の悪さがクローズアップされている。冒頭は、その報道の一部だ。
「伊藤容疑者は、逃走後に現場に戻った理由について、“事件の目撃者に自分の免許証の写真を撮られたから”などと警察に供述したそうです。4月にも接触事故を起こしていた疑惑が被害者のツイートから明らかになりました。彼の素行の悪さには、事務所関係者や先輩俳優たちは以前から苦言を呈していたようなのですが、伊藤容疑者はまったく聞く耳を持たず、態度も改めなかったんです」(芸能プロ関係者)
明るくて素直な“健ちゃん”
仕事の場面でも“俺様”な態度だった伊藤。そんな彼の地元での評判は。東京郊外にある伊藤の実家付近で話を聞いてみると……。
「健ちゃんのことは小さなころからよく知ってますよ。とても明るくてみんなに挨拶するいい子でした。中学生のころも私が話しかけると、なんでも答えてくれる素直な子でしたよ。近くの公園でサッカーやバスケの練習をしていることもありましたね。それと小さいころから犬好きで、犬を飼いたいとご両親におねだりしたそうです。一軒家に引っ越してから、プードルを飼うことになって、念願が叶ったようですね。
ハロウィンでは仮装して近所を周り、お菓子をもらいに来たこともありました。そのとき、お母さんの料理を手に持って“ウチのお母さんは料理がうまいんだ”って。お母さんのことが大好きなようで、お母さんも健ちゃんの芸能活動も応援していました。お父さんは控えめですが、健ちゃんのテレビ出演が決まるたびに、嬉しそうに教えてくれました。
健ちゃんの熱愛が報じられたときは、照れ臭そうに、“あれは、ほかの共演者もたくさんいたところを2人だけ切り取って撮られちゃったんですよ”と言ってました。ご両親とも健ちゃんが芸能界で売れる前は大学進学を望んでいたようですが、売れてからは手放しで応援していましたね。健ちゃんは売れた後も駅で見かけたときは気さくに写真も一緒に撮ってくれました。テレビに出始めてからも、たまに電車で帰ってくることがあったようです」(伊藤の実家の近所に住む女性)
意外……と言っては悪いが、小さいころから知っている人にとっては、いつまでも“近所のかわいい子”であり、むしろ気持ちのいい青年に育ったように思える。
しかし……。
パトカーの音で逃げ出した
「健太郎は悪いヤツでしたよ。高校時代、朝の通学でも歩きタバコでした。彼の部屋は実家の2階なんですが、隣の家の屋根が窓から手が届くぐらい近くて、吸い殻を屋根に投げていました。部屋でタバコを吸っているのを親にバレないようにしていたんでしょうね。
高校を卒業した後、友達と2人で家の前で焚き火をしていたことがありました。夜11時をすぎても騒がしかったし、火柱が1メートルぐらいの高さになっていて危ないから、警察を呼んだんです。健太郎たちはパトカーの音を聞くと、火をパッと消して家に駆け込み、逃げちゃいました。その後、警察官がインターホンを鳴らしても居留守にしてましたよ」(伊藤の実家の近所に住む男性)
犬好きで両親におねだりし、母の料理を自慢するような純真な少年は、高校生で姿を変えてしまったのか。興味本位やカッコつけのつもりで高校生がタバコを吸うことは、多いとはいわないが、少ないとも言い難い“あるある”だ。
しかし他人の住む隣家に吸い殻を投げる。火事の可能性もあるこの行為は、“あるある”などと片付けていい話ではない。高校生のころから“他人に迷惑をかけても、自分さえよければ”という態度だったのか。今回、被害者を置き去りにしたように……。
伊藤の“地元の先輩”だという男性は、次のように彼との思い出を語る。
「健太郎のことはよく知ってますよ。彼はイケイケでナマイキなところがありますが、それがカッコいいと思っているような、いきがったヤツなんですよ。当時は若いからいいんじゃないかと、かわいく思っていました。高校時代にウチの前を通って私と目が合ったら、手を後ろに回して、頭を下げるんですけど、背中越しにモクモクと煙が見えているんです。歩きタバコがバレバレでした。そんなちょっと抜けたところもかわいいヤツでしたけど、被害者を置き去りに逃げたことは人間としてダメですね。
母親のことも知っているけど、健太郎が短期間のうちに芸能界で売れてしまったことに危機感を持っていたようです。小学校から私立に行かせたくらいで、母親は教育熱心なところもあって、健太郎には大学まで行かせたかったと漏らしていました。
彼が売れ出した3年ぐらい前、私がサーフボードを車に積んでいたら、たまたま健太郎が通りかかったので、海に誘ったんです。そうしたら“車の運転も、日焼けも事務所からNG出されているんで、ダメなんすよ”って、寂しそうな顔をしていました。芸能界は売れたら売れたで自由がない世界なんだなと思いましたね」
伊藤の母親は声を絞り出して
悪評も多かった地元の声。実家に住む伊藤の母親にも話を聞いた。その姿は憔悴しきったように見える。
「本当にもう……何を言ったらいいのか……。被害者の方のご無事を願うばかりで、申し訳ございません」
そう話すと記者に向かって深々と頭を下げた。釈放後の伊藤について話を聞くと、
「本当にもう、すみません……」
声を絞り出すように言うと、その場を立ち去った。
「これから僕自身、一生かけて償っていきたいと思っています」
伊藤は保釈時にこのように語っていた。交通事故を起こすことはもちろん問題だが、芸能人だろうが一般人だろうが、起こすときは起こしてしまうもの。大切なのは起こしてしまったときの対応だ。人をひいてしまった際、即座に車を停め、真摯に対応していればこのような事態にはならなかっただろう。
“償う”ことも大切だが、もっとも伊藤が改めなければいけないのは、目上の人をバカにし、タバコを隣家に投げ捨て、そしてひいた人を無視するような、他人をないがしろにするようなその性格のはずだ。そこが変わらなければ、今年4月の“別の事故”のように、彼はきっと何度も“償う”ことになるのではないか――。