新型コロナウイルスの影響で、さまざまなイベントが中止、または延期となっている。大手のレジャー施設の休園も続いている。

春の行楽シーズンにも関わらず、旅行を取り止める人も少なくないようで、飛行機や新幹線、高速バスなどの乗客もめっきり減っているそうだ。

結婚式やパーティーなどを自粛した人たちもいる。デパートや大手ショッピングセンターの買物客も少なくなり、飲食店も閑古鳥が鳴いているという。

とにかく人混みを避けて、自宅にとどまる人が増えているのだ。

そんな中、コロナ拡大を受けて「10万現金支給された」という景気の良いツイートが投稿され、話題となっている。

投稿によれば、「今世界中で経済が落ちてきており、コロナにより再び大不況が訪れる可能性が高いとのことで、経済を回せと」という理由で、10万円が特別に支給されたという。

「4月30日までに全額使いきり、レシートもしくは領収書を病院に提出しないと無効になるらしい」

とのことだ。

投稿者のともき(@tomoki901)さんによると、10万円の現金支給があったのは、彼が働く青木記念病院(三重県桑名市)だという。

なぜ従業員に現金を支給したのか。Jタウンネット編集部は、青木記念病院に取材した。

なぜ現金給付?病院に聞いた


驚きの現金支給 ともき(@tomoki901)さんのツイートより

3月17日、投稿者のともきさんはこう答えた。

「職場の同僚はみんな驚いてました、期限付きのボーナスなので何買おうかな!ってわくわくしてましたよ。家電とかがいちばん多かったですね。私は多趣味なので趣味に使います。車でドライブとか、カメラのレンズなどですかね」

続いて3月18日、青木記念病院にも聞いてみた。「臨時支給金」の趣旨は、下記の通りということだ(以下、原文ママ)。

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、その防止策の一環として国内各地でスポーツ・文化イベントの自粛、小・中・高等学校の一斉休校がこの一か月近く続くなど国民生活全般の活動が停滞してきている。
このことにより、景気が急激に落ち込み、世界大恐慌前夜の様相を呈してきた。国においては、感染拡大防止対策とともに緊急経済対策も講じられようとしている。
このような状況に鑑み、当法人としても職員に臨時支給金(会計処理上は特別賞与として整理)を支給して消費活動を促進し、景気回復の一助とすることする」

臨時支給金の対象は、正規職員とパート職員全員だ。支給の方法は、口座振り込みではなく、現金支給。使途は、物品購入、外食、旅行など、直接的な新たな消費に限られる。預貯金、借金返済、公共料金支払いなどは認められない。

商品券の購入、プリペイドカードのチャージも、宝くじの購入なども、ダメだ。レシート、領収書を添付して報告しなければならないという。

臨時支給金は、2020年4月30日までに使い切ることが必要で、残金があれば返金しなければならないそうだ。

青木病院のこうした取り組みに、ツイッターにはこんな反応が。

「経済の本質的意味を理解している理事長さんと上層部の人達の頭の良さと大胆さ、価値観の協調性などに感服する」
「理事長さん、かなり経済に精通して見えますね!日本経済が死なないために国がやるべき打ち手のひとつなんですが、私企業でやるのは驚きです!」
「4月末までって期限が素晴らしい。経済回る。 恥を忍んで日本国は真似するべき」