豚骨の旨味を魚介ダシで包み濃度を増したダブルスープ

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毎年恒例の、埼玉で一番旨いラーメン店をガチで決める「ラーメンWalkerグランプリ」。昨年まで2年連続1位の「中華そば 四つ葉」が殿堂入りしたことにより空位となった総合1位の座。今年1位の座を射止めたのは、日高に移転して2年目の中華そば専門店だ。<※情報はラーメンWalker埼玉2020より>

【写真】埼玉イチ旨いラーメン店の称号をもぎとった名店の「煮玉子そば」

■ 総合部門4位:「頑者(がんじゃ) 本店」(川越市)

2018年のリニューアルでは白を基調にした店舗デザインにし、メニューの仕様も変更。豚骨の量と炊き時間、トッピング、小麦粉の配合などを見直した。「創業時の味に近付けています。僕なりの原点回帰です」と店主の大橋英貴さん。この2019年10月からは「つけめん 小」など、女性を意識したメニューも提供していく。

人気メニューは「つけめん 並」(900円)。豚の旨味と濃度を感じるストロングな口当たりのつけ汁で、魚粉入りの香味油で深みが増している。小麦が香る極太麺の存在感も抜群だ。粉の配合なども創業時のものに近づけている。

<住所:川越市新富町1-1-8 / 時間:11:30〜16:20 / 休み:日曜>

■ 総合部門3位:「オランダ軒」(さいたま市岩槻区)

新潟県長岡市を発祥とする長岡生姜醤油ラーメンの人気店。生姜の風味がバランス良く醤油スープに調和しており、抜群の味わいだ。自慢のチャーシューは、国産豚のウデ肉をチルドで仕入れて柔らかくなるまで煮込んだもの。注文を受けてから切り出すことで、ふっくらとした食感を失わないように心がけている。

ここを訪れたのなら「しょうゆチャーシューメン」(1100円)は外せない。生姜を加えた動物系スープに豚の旨味をたっぷり吸ったチャーシューの煮汁で味を調える。麺はのびにくく、最後まで食感を楽しめる。

<住所:さいたま市岩槻区東岩槻6-5-3 イケダ第一コーポ1F / 時間:11:00〜14:00、17:30〜19:00、日曜・祝日11:00〜16:00 ※材料がなくなり次第終了 / 休み:木曜>

■ 総合部門2位:「らーめん かねかつ」(川口市)

2017年、2018年に続いて3年連続受賞となった「ラーメン かねかつ」(かねかつは「勝」に曲尺)。店主の大友さんがほれ込んだ福島県産の「若喜醤油」をタレに使った香り高いスープと、つやつやとして喉越しのいい手打ち麺のおいしさで、圧倒的な実力を見せつける人気店だ。今回の受賞に際し「(店内には)5席しかないので、お待たせしてしまっても満足していただけるものをお出ししなければいけないと常に考えています」と、ラーメンにかける謙虚でブレのない姿勢を語ってくれた。

2019年7月にオープンから丸6年を迎え、7年目の歩みをスタートさせた大友さん。10月以降、タレを除くスープ、麺、トッピングのリニューアルを予定しており、名店の味がさらにどう深まっていくのか楽しみだ。

看板メニューは「らーめん」(800円)。手もみを加えた麺のランダムな食感が、オープン以来配合を変えていない福島県産の2年熟成醤油の奥深い味と香りと相まって、すすり込むたびに至福感が湧き上がる。麺は注文のたびに1人前ずつ生地を切り出し、のしてカットして手もみを加える。

<住所:川口市飯塚2-14-23 / 時間:11:00〜14:30、18:00〜21:00(各LO)※材料がなくなり次第終了 / 休み:金曜>

■ 総合部門1位:「中華そば専門 とんちぼ」(日高市)

優勝をつかみ取ったのはこの店。店主の丸岡さんは、東京都高田馬場にあった「ラーメン千代作」(2014年閉店)の味に感動し、大学4年生の時にラーメンの世界に飛び込んだ。品川区の名店「中華そば 多賀野」でラーメン作りを学んだのち、2008年に鶴ヶ島市で独立。「中華そば 頓知房」は評判となり、次第に行列ができるほどの繁盛店になった。2018年9月、日高市へ店を移転させたのを機に自家製麺へと切り替えた。「この10年間、自分なりにスープを磨いてきたので、今度は麺をもっとおいしくしたいと思って」。

中華そばには北海道産の春よ恋で打つしなやかな食感の中細麺を用意する。一方のつけそばは、埼玉県産のハナマンテンの全粒粉をミックスした風味の強い太麺だ。そこまでこだわる理由を聞くと、「スープと麺をトータルで楽しんでもらいたいから」と人懐っこい笑顔を見せる。しかし、その目の奥にはラーメン職人としての矜持がみなぎっていた。

おすすめは「煮玉子そば」(860円)。丼から立ち上る湯気と共に煮干しの香りがフワリと漂う一杯。豚骨や挽き肉、鶏肉などをじっくり煮込んだ動物系スープに数種類の煮干し粉を手鍋で合わせ、さらに煮干し油で味の輪郭を強める。動物系と煮干しそれぞれの風味がバランスよく重なり合い、贅沢な味わいを描く。このほかにも「特製つけそば」(1190円)や「中華そば」(760円)、「つけそば」(840円)なども人気。何度も訪れて、さまざまなラーメンを味わいたい。

<住所:日高市栗坪26-46 / 時間:11:30〜14:30 / 休み:月曜>

空位となった1位は「中華そば専門 とんちぼ」が射止めた。名店がそろう埼玉だからこそ、ラーメンを食べる店選びに悩むもの。まずは「ラーメンWalker埼玉」お墨付きの店に足を運んでみてはいかがだろう。

※表記価格は消費税8%時の税込価格となります。2019年12月現在、消費税率が10%に変更され、税込価格が変更となっておりますのでご注意ください。(東京ウォーカー(全国版)・中田徹)