日本各地に存在する「これって会話になってるの?」と疑いたくなるような方言。当の本人たちからするとただの日常会話なのだろうが、地元民ではない人間からすれば「?」な内容も少なくない。

先日、Jタウンネットが「1文字で会話できる方言」を募集(「けけけ」「かーかーかかーか」だけで会話が成立する地域があるらしい)したところ、多くの投稿を頂いた。今回はその中からいくつか紹介しよう。

父「ねねね」母「ねねねね」

まずは40代女性Aさんの投稿。秋田の夜に見られる会話だという。みなさんもどんな意味か一緒に考えてみてほしい。

父「ねねね」母「ねねねね」Aさん「ねね」姉「ねね?」Aさん「ねね」父「ねねね」

「ね」しか発していない...。秋田県民でない筆者からしたらまったく見当もつかない会話だが、もちろんちゃんと意味はある。訳は以下の通りだ。

父「もう寝ないと」母「そうだね、寝ないとね」Aさん「えーまだ寝ない」姉「まだ寝ないの?」Aさん「うん、寝ない」父「もう寝なさい」

Aさんが子どもの頃の会話だろうか。「ねね」は「寝ない」「寝ないの?」、「ねねね」は「寝なさい」を意味している。

「ねねね」に関しては他の読者も投稿が寄せられ、「ねねばね」という言い方もあるとのこと。秋田では有名な方言のようだ。

津軽では「く?」「け」「ろ」「めー」で会話成立

続いて30代女性のBさん。こちらは福岡での会話だ。

「とっとーと?」「とっとーと」

「と」だけで成り立つうえに、「とっとーと」がオウム返しのように2回続いている。意味はどちらも同じで、

「とってるの?」「とってるの」

Bさんによれば、例えばショートケーキのイチゴを最後に食べる人に向かって、(このイチゴ)「とっておいてるの?」と聞く時に使うという。こちらは状況さえ分かれば、地元民でなくても何となく伝わりそうな例だ。

最後に紹介するのは、30代男性のCさんの投稿だ。青森の津軽出身だというCさんは、おばあちゃんと母がしていたという会話を教えてくれた。

おばあちゃん「く?」母「け」おばあちゃん「ろ」母「めー」

本当に1文字で会話している!もはや感動すら覚えるが、何を言っているかはさっぱりだ。く・け・ろ・めー...?まるで暗号のようだが、正解を見ていこう。

おばあちゃん「食べる?」母「ちょうだい」おばあちゃん「はいどうぞ」母「おいしい」

Cさんによれば、母の「け」は津軽弁で「ちょうだい」意味する「けろ」の略語。おばあちゃんの「ろ」(ろー)はネットで検索したところ「ほら」といった意味があるようだ。

ひらがな1文字でできる会話、募集します

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