ジャニーズの2018年を回顧:相次いだ衝撃ニュースと「去る者は追わず」の未来志向
2018年のジャニーズは、辞めたり休んだりと大きな転機を迎えることになったタレントが相次いだ年となった。
ファンを裏切るニュースばかり
4月の元TOKIO、山口達也の未成年への強制わいせつ容疑での書類送検は、世間に大きな衝撃を与えた。ある芸能ジャーナリストは言う。
「『ザ!鉄腕!DASH!!』や『幸せ!ボンビーガール』など、視聴率のいい番組への出演からもわかりますが、山口はジャニーズファン以外からの好感度も非常に高かった。
それなのに情報番組『ZIP!』(いずれも日本テレビ系)のメインパーソナリティーを務める立場で、自ら司会をする10代の若者の本音トークを繰り広げる『Rの法則』(NHK Eテレ)に出演中の女子高生に、手を出してしまった。
アルコール依存症であったことも含め、好青年風のキャラからのギャップがあまりにも大きかったです。逮捕歴のある、元SMAPの稲垣吾郎や草なぎ剛のように、活動休止後に復帰というわけにはいきませんでした」
TOKIOメンバー4人の涙の会見も印象強く、当初は無期限謹慎処分だったが本人の意思により、山口達也はジャニーズ事務所を去った。
「最近放送されたTOKIO関連の番組で、過去映像から山口の姿がカットされたり、過去のエピソードトークなどからも、まるでいなかったかのようになっています。
Hey! Say! JUMPも、元々は10人のグループでしたが、喫煙騒動で1人が脱退し、今や『9人でスタート』という言い方をされることがあります。また、6人時代の映像も流れるSMAPとの違いも含め、事件はまだ風化していないと実感します」(前出・芸能ジャーナリスト)
山口の事件の熱が冷めやまぬ6月初旬、今度は未成年者との飲酒により、NEWSの小山慶一郎が活動の自粛、加藤シゲアキが厳重注意されることになった。
「その後、小山はわずか20日間の謹慎で、活動を再開しました。ただキャスターを務める『news every.』(日本テレビ系)は出演を見合わせ、そのまま12月19日に、正式降板が発表されました」(スポーツ紙記者)
2018年が終わるとともに、自ら表舞台から降りたのが、滝沢秀明だ。
9月には今井翼とのデュオ、タッキー&翼の解散を発表したことも、大きな注目を集めた。前出の芸能ジャーナリストは言う。
「滝沢は中学生時代からいきなり大活躍し、のちに主演舞台を大成功させるなど20年以上にわたり、ジャニーズを代表する1人でした。タキツバの解散や、ジャニーズJr.の指導や育成はある程度、想定の範囲内だったとしても、芸能活動は継続すると思われていましたからね。
12月の滝沢は、雑誌やテレビ番組への出演ラッシュがすごかったです。大晦日のジャニーズカウントダウンで、タッキー&翼の一度限りの再結成も予定されています。
滝沢の現役引退は寂しいですが、『滝沢歌舞伎』もSnow Manをメインに据え、継続が発表され、これからの世代をどう見せていくのか、期待は大きいです」
今井翼は、タッキー&翼の解散とともに9月にジャニーズ事務所を退所。難病のメニエール病の治療に専念し、その後は新たな芸能活動を続ける方針だとされる。
未来を見据えた新たな可能性
4月には関ジャニ∞の渋谷すばるが、グループの脱退と年内いっぱいで事務所を退所すると発表した。理由は、自らの音楽活動の追求のためだった。
活動を一時休止するジャニーズも、2018年は相次いだ。
Hey! Say! JUMPの岡本圭人がアメリカ留学のため、約2年間の芸能活動休止。6月にデビューしたばかりのKing & Prince岩橋玄樹と、Sexy Zoneの松島聡が、それぞれパニック障害を理由に一時活動休止を発表した。
「さらに、ジャニーズJr.のユニットLove-tuneの、7人全員の退所もありました。とにかくこれだけ多数の退所や活動休止が集中した年は、他にありません。
事務所の今後の体制も心配されますが、噂されるタッキーを中心とする新会社の設立など、新たな道への転換期となる1年だと考えることもできます」(同前・芸能ジャーナリスト)
新たな道ということでいえば、ジャニー喜多川社長が作・構成・演出を手掛ける舞台『ジャニーズ King & Prince アイランド』が19年1月まで上演中。あるテレビ誌記者は言う。
「今回は、例年以上に“未来”に目が向いているような色が強い作品です。いよいよ迫る2020年の東京五輪を意識したような演出も数多く、これからの時代を担っていく、10代のJr.たちを大きくフューチャーした内容です。
昔から、ジャニーさんは基本的に去る者は追わずという姿勢なので、これからの将来を見ているんだなと感じました」
岩橋の活動休止は気がかりではあるが、King & Princeのデビューからの快進撃は、もっとも明るいニュースのひとつ。
「Sexy Zoneのバックをメインで務めるなど、丁寧に時間をかけながらファンを増やし、満を持してのデビューでした。『ZIP!』に連日出演するなど、メディアへの露出も非常に多く、短期間で顔と名前を認識してもらうことも成功。
そして、デビュー後に平野くんの“天然”が一般層にも定着。もちろんメンバーそれぞれのスペックも高いことが前提としてありますが、様々な要素が絡みあってこそのロケットスタートだったと思います」(テレビ誌記者)
人気Jr.ユニット、SixTONESのYouTubeを拠点にした活躍ぶりも、新たなジャニーズのあり方を提案する形となった。
風間俊介が『Zip!』のメインパーソナリティーに就任、『東京B少年』が『Sexy美少年』に改名、関西Jr.からは新ユニット『なにわ男子』の結成など、激動の2018年から、希望にあふれた2019年の到来への期待感もいっぱいだ。
<取材・文/渋谷恭太郎>