戸田恵梨香×ムロツヨシの『大恋愛』、プロデューサーは「すごく相性がいい」
闘病も描くが、明るく前向きなラブストーリー
若年性アルツハイマーに侵された女性と、彼女を支える男性との10年間を描いたラブストーリー。脚本は『セカンドバージン』などを手がけた大石静のオリジナル作。
「記憶をなくしていく、自分が誰かもわからなくなっていき、愛する人の顔もわからなくなる……。もし自分がそうなったら、もし周りの人がそうなったら?
考えただけで胸が痛くなるような状況です。
でも悲観的にならず、ひたむきに一生懸命に生きる主人公たちの姿を通して、人を思うことの大切さや美しさを明るく切なく描いていきます」
と、宮崎真佐子プロデューサー。
産婦人科医として働いていたが、若年性アルツハイマーに侵されていくヒロイン、尚を戸田恵梨香、尚を明るく健気に支えていく元小説家の真司をムロツヨシがそれぞれ演じる。
「尚役は早い段階から圧倒的な演技力のある戸田さんに、と思っていました。病に侵され、笑顔や表情が変わっていく尚を繊細に演じてくださっています。
相手の真司役のムロツヨシさんも希望どおりです。尚の闘病する姿も描いていくので、ともすると、深刻になりがちです。そうならないために、真司は明るく、笑わせながら支えてくれるキャラクターにしました」(宮崎P、以下同)
物語の題材のアルツハイマー病について、出演者はそれぞれ事前に勉強してから撮影に臨んでいる。
戸田は尚役を演じることについて、こうコメント。
「すごく難しい役だな、と思いました。台本を読んでも尚がどんな女性なのかをつかむのに時間がかかりましたし、撮影に入ってからだいぶたちますが、いまだに難しい役だなと感じています」
ラブストーリーに本格的に初挑戦するムロは撮影前“この役、本当に自分が演じていいのだろうか?”とコメントしていたが、初回放送後は“カッコいい”“最高”と好評で、視聴率10・4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)をマークした。
「真司の先輩の木村役は、設定の引っ越し業が似合う方をイメージして、(サンドウィッチマンの)富澤たけしさんをキャスティングしました(笑)。富澤さんに受けていただけたので、当初より木村の役割が膨らみ出番を増やしています。
逆に、尚の母親役は、お母さんぽいイメージがない方がいいと考え、草刈民代さんにオファーしました」
真剣なムロの演技に戸田が吹き出すひと幕も
自分が若年性アルツハイマーに侵されている、と告げる尚を受け入れた真司。
そして、ふたりは一緒に暮らし始める。尚は真司に小説の新作を書くことを願うが、経済的に尚の負担になりたくない真司は、引っ越しの仕事を増やして倒れてしまう。一方、尚の主治医となった元婚約者の侑市(松岡昌宏)は、尚への気持ちの整理ができていなかったが、そこに思わぬ訪問者が現れて……。
「戸田さんとムロさんは、すごく相性がいいなと感じます。ムロさんがコメディーではなく、まじめなお芝居をするシーンが多いので、戸田さんはときどき耐え切れなくなって吹き出したりしていますが(笑)。撮影前には、尚の病気の進行具合やお互いの距離感などを、おふたりで話しています」
尚と真司、そして侑市の恋の行方に加え、驚きの展開も用意されているそう。
「本作では、尚が真司と出会い、病気の発症から10年の時を経た姿まで描いています。若年性アルツハイマーは、治療の術がない病気。なので、尚の病状は進行していきますが、生まれてきてよかった、と思える物語になっています。
また、尚の恋愛のほかにも、さまざまな人間ドラマを描いていますし、さらに、ある登場人物の間で恋物語が生まれますので、こちらもご期待ください!」
謎を秘めた小説の表紙ドラマのキーとなる尚が大好きな小説『砂にまみれたアンジェリカ』は、真司のデビュー作。ドラマに何度も登場するが、これには理由が……。
「表紙の装丁の絵には、ある意味があります。最終回で明かされますので、お楽しみに。また、この小説の著者の写真は、ムロさんの若いころのものをお借りしているので、こちらもお見逃しなく!」(宮崎)
<作品情報>
『大恋愛』
TBS系 金曜夜夜10時〜