※写真はイメージです

写真拡大

 連日の酷暑で寝苦しかったり、疲れがたまっていたり……。残暑を前に体調を崩してしまった人も多いのでは? まだまだ暑さが続きそうなこれからの時期、どんな症状に気をつければいいのか。医学博士で医学ジャーナリストの植田美津恵先生に話を聞いた。

涼しくなってもまだ危ない! 熱中症にご注意を

 夏場の疲れがたまり、弱っている秋口も熱中症の危険大。植田先生によると、

「特に年配の方は、秋に入り熱中症が世間で騒がれなくなると、水分補給を忘れてしまう人も多い。定期的に飲む癖をつけるようにしましょう。

 目安は1日1〜1・5リットル。お茶は利尿作用があるので水がオススメです。食事どきやお風呂の前後など、時間を決めて、7回くらいに分けて飲むこと。“のどが渇いたから飲む”では手遅れになる場合もあるので、早めの補給を心がけて」

夏場の低体温症が死の危険を招く!?

「低体温症は、冬より夏のいまこそ油断しがちで危ない!」と植田先生。

「例えば、ゲリラ豪雨などで服が濡れて、そのままでいると、次第に体温が奪われてしまいます。最悪の場合、昏睡状態になり死に至るケースも。海やプールで水着の上にTシャツを着るなど、長い時間、身体が濡れた状態でいるのも危険」

 震えや呼吸の乱れなど、風邪のひき始めに似た症状がそのサイン。

「寒気がきたときには手のほどこしようがない場合も。残暑でも気をつけて」

夏バテならぬ“秋バテ”が私たちの身体を襲う?

 夏場は体力を消耗しやすく、食も細くなり、冷たいものばかり求めがち。そして迎えたこの時期、「秋バテが襲いかかります」と植田先生。

「朝晩などに少し寒暖差が出てくると、自律神経が乱れて調子を崩しやすい。秋バテの症状は睡眠障害や食欲減退、めまいなど。女性の場合、ホルモンバランスが崩れやすくなり、心の不調が起きたりします」

 予防としては、身体を冷やさないよう温かい食事を心がけること。

「気温が落ち着いてきたら、無理のない程度のウォーキングで体力をつけて。最初は15分くらいを目安に始めるのがいいでしょう」

熱中症かと思ったらまさかの脳梗塞に

「頭痛やめまい、まっすぐに歩けないなど、熱中症と脳梗塞の初期症状は大変よく似ています」

 どちらも命にかかわるおそれがあるため、異変を感じたときは迷わず救急車を呼んで。

「脱水により水分が不足すると、血液の粘度が上がってドロドロに。血の塊ができ、血管が詰まりやすくなるんです。これも脳梗塞の一因になります。熱中症にしろ脳梗塞にしろ、予防のために、こまめな水分補給は重要です」