【ジブリ映画】紅の豚の知られざる極秘の秘密と噂7選!「主人公が豚になった理由」「明かされていない結末」

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「飛ばねえ豚はただの豚だ」のセリフが強く印象に残るジブリ映画といえば、1992年に公開された『紅の豚』ですよね。名作として知られる『魔女の宅急便』の次のジブリ映画として制作されましたが、魔女の宅急便が樹立した日本における劇場用アニメ映画の興行成績を塗り替える大ヒット作品となりました。

根強い人気のある作品



ジブリ映画はそれまで『天空の城ラピュタ』や『となりのトトロ』に代表されるように子供でもわかりやすい作品がほとんどでしたが、『紅の豚』は、男の生き様や美学を描いた、どちらかというと子供にはなかなかわかりにくい大人向けの作品。しかしそれだけに、いつものジブリ作品を好む層とは異なる根強いファンが誕生することとなったのです。



『紅の豚』の知られざる秘密と噂



今回はそんな名作映画『紅の豚』の知られざる秘密や噂をご紹介。公開から四半世紀以上すぎてもなお色褪せない、男のロマンを見事に描いた作品の魅力をよりディープにお届けします!

1. もともとは短編映画の予定だった

『紅の豚』は宮崎駿監督が月刊誌『モデルグラフィックス』に連載していた「構想ノート」の中の1編でした。当初はそれを原作にして、日本航空の機内上映用に30〜40分の短編アニメを制作する予定だったのです。内容も豚と飛行艇が飛び回るだけの、明るく楽しい映画にする予定だったそうです。

しかし、いざ制作に取りかかると宮崎監督の構想はどんどんと膨らんでしまい、30〜40分ではとても収まり切らず、機内上映用の作品ではなく劇場用作品として興行展開することになったのです。

2. ポルコが豚になった理由は不明

実は主人公のポルコ(ポルコ・ロッソ)が豚になった理由は明かされたことがありません。作中でジーナが言った「どうやったら、あなたにかけられた魔法が解けるのかしらね」というセリフがあることから、人間だったポルコに魔法がかけられて豚になったことはわかっていますが、魔法をかけられた理由は一切不明となっているのです。

第一次世界大戦で戦争が嫌になり、自ら豚になる魔法をかけて軍隊を去ったのではないかという説や、戦争で生き残ってしまい後悔の念にさいなまれて自ら魔法をかけたのではという説、戦闘機乗りの夫を3人も亡くしてきたジーナと恋仲にならないために豚になったという説などがネット上では確認できますが、いずれも決定的な証拠はありません。当然何度も質問をされてきたはずの宮崎監督も、豚になった理由については「ほっといてくれ! いいじゃねぇか豚で!」と、何も語っていないのです。



3. ジーナは賭けに勝っていた

作中でジーナの賭けの行方は秘密だと描かれていますが、実はジーナは賭けに勝っていたのです。ジーナは「私がこの庭にいる時、その人が訪ねてきたら今度こそ愛そうって賭けをしてるの。でもそのバカ、夜のお店にしかこないわ」とカーチスに話しているのですが、これはポルコのことなのでしょう。

そしてラストにホテル・アドリアーノの昼間のシーンが描かれていますが、裏(画面右手)の庭側に赤い飛行艇が止まっているのが見え、その後誰もいない庭が映ります。ここにジーナがいないということは、ジーナの待ち人が現れたということでしょう。ジブリの中でも最も大人な結末です。

4. ポルコがジーナの夫になることが示唆されていた

宮崎監督によると、最終的にポルコとジーナが結ばれることは決めていて、ポルコがイタリア空軍時代に乗っていた飛行艇の機体番号で示唆していたそうです。空戦の回想シーンを見ると、まだ人間のポルコの飛行艇の機体番号は4。これはポルコがジーナの4番目の夫になることを示唆していたのです。

このとき戦死してしまったジーナの最初の夫で、ポルコの親友であるベルリーニの機体番号は1でした。ベルリーニの死後、ジーナは2回飛行艇乗りと再婚しますが、どちらも戦争で死んでしまいました。そして、物語は最後ジーナとポルコが結ばれたことを示唆して終わるのです。

5. 「ポルコ・ロッソ」は侮蔑の言葉

イタリア語で「ポルコ・ロッソ」は「赤い豚」という意味ですが、「豚野郎」といった相手を強く侮辱する言葉でもあります。この呼び名は空賊たちがつけたニックネームで、赤い(ロッソ)機体を操る豚(ポルコ)の見た目そのものを指すと同時に、非常に過激なニックネームということになるのです。

ちなみにポルコの本名は「マルコ・パゴット」で、昔馴染みのジーナやフェラーリンがマルコと呼んでいるのはポルコが人間だったころの名残から。そしてこの名前は、宮崎監督も関わった日伊合作アニメ『名探偵ホームズ』のイタリア側プロデューサー、マルコ・パゴットさんの名前をいただいているのです。



6. カーチスのモデルはレーガン大統領

アメリカ人のドナルド・カーチスのモデルとされているのは、第40代アメリカ大統領のロナルド・レーガン元大統領です。カーチスは物語の中でジーナに対して「空賊連合の用心棒から映画俳優になり、その後アメリカ合衆国大統領を目指している」と語っています。そしてエンディングのナレーションでは、アメリカに帰り、西部劇の主演俳優になったことが語られていますが、これは俳優として活躍し、カリフォルニア州知事を経てアメリカ大統領になったレーガン元大統領と同じ経歴なのです。

また、カーチス主演の「Triple Love」のポスターも、ロナルド・レーガン主演映画のポスターデザインを意識して作られています。

7. 他のジブリ作品によく登場する

ジブリ作品には他のジブリ作品のキャラクターがこっそり登場していることがよくありますが、『紅の豚』の登場率は比較的高い方になります。例えば『海がきこえる』の文化祭のシーンではご飯を食べているポルコが描かれていて、ラストの駅のシーンでも看板に「紅の豚」と書かれています。『平成たぬき合戦ぽんぽこ』のタヌキたちがオバケの大行列を人間に見せるシーンでは、スイカのオバケの下に赤い飛行艇とポルコの姿が映っていて、『耳をすませば』の不思議なお店「地球屋」の古時計には「Porco Rosso」と刻まれています。



大人になってから好きになる人も多い作品



紅の豚は大人をターゲットに作られていたこともあり、子供の頃に紅の豚を見たけどよくわからなかったという人も多いのですが、大人になって見返したらすごく良かったと感じる人が多い作品でもあります。現在30〜40代がきっとそんな世代のはず。機会があればぜひもう一度見てみてはいかがでしょうか。

■執筆・監修:Mr. Fox

執筆、撮影、編集家。日本生まれ、生年不詳、トレードマークはキツネの顔。世界各国を回りながら、メディアに関わる仕事をしてます。人のアイデアを転がします! コンコン。https://twitter.com/im_mr_fox/