東京都豊島区のIT企業レックアイに務めていた28歳の男性が、昨年8月に亡くなったのは長時間労働が原因だったとして、池袋労働基準監督署が今年4月末に労災認定していたことが分かった。遺族代理人の川人博弁護士が5月16日、記者会見で明らかにした。

男性は2013年に入社。2017年7月にシステム開発のチームリーダーに昇格し、その日から専門型裁量労働制の適用を受けていた。7月4日から6日にかけては3日間連続で勤務していて、川人弁護士は「裁量労働制の適用は、かかる深夜勤務を招いた要因の1つとなったと思われる」としている。

「身体の疲れが尋常じゃない」「外明るいと思ったらもう6時かよ」


男性のツイッターを見ると、裁量労働制の適用以前にも過重労働が常態化していたようだ。2017年6月24日の深夜には「やっと家ついたー。この安心感よ。今月も華麗に300時間やー。ねむすぎ」、26日には「身体の疲れ方が尋常じゃない」とこぼしている。

7月4日から6日にかけては、

「ねむい。13時から翌日の18時までってなんなん」(4日12時24分)
「仕事終わるまであと22時間」(同日20時20分)
「外明るいと思ったらもう6時かよ。アーメン」(5日6時32分)
「うおー! やっとしごとおわったぁー!社会人になってから36時間ぶっ通しで働いたの初めてやがな」(6日1時20分)

などと立て続けに投稿。過酷な労働環境がうかがえる。

男性は8月18日、自宅アパートで亡くなっていることが発見された。死亡推定日は8月14日と見られ、死因はくも膜下出血。7月下旬には実家の母親に、頭痛を訴えていた。

裁量労働制が適用される前には、最大で184時間30分の残業も

労働基準監督署は、男性の発症前2か月間の時間外労働時間を平均87時間45分と認定した。裁量労働制の適用前は最大で184時間30分に上る月もあったという。7月に裁量労働制が適用になってから、裁量職務手当として月6万3000円が加給されていた。

男性の母親は川人弁護士を通し、

「今後、息子と同じような犠牲者が出ないように会社に求めます。若いときは2度とないから、休日もきちっととれて、リフレッシュできる時間を若い人につくってあげて下さい」

とコメントしている。