トランプ vs 金正恩。ビッグマウスの二人に起こりうる最悪の結末
日本ではニュース番組のみならず、ワイドショーでも連日放送されている北朝鮮危機。「もはや米中一触即発」などという報道も見られますが、国境を接する韓国国内の反応はあまり伝えられません。果たしてどのような状況にあるのでしょうか。韓国在住の著者による無料メルマガ『キムチパワー』が現地の様子を伝えています。
どうなる、朝鮮半島
本メルマガ2017年4月22日(4月24日に訂正記事送付)で、風雲急を告げると題して、副島隆彦の「予言」の抜粋をお送りした。骨子は、
来年2018年4月に北朝鮮は韓国に向けてミサイルをぶっ放す。標的は仁川の韓国軍基地か、鳥山の米空軍基地。この攻撃で少なくとも3,000人から1万人の死者が出る。米軍による爆撃後、ただちに中国人民解放軍が北の国境線から進撃する。兵員は50万人。中国人民解放軍が、1週間以内に首都平壌を抑える。そして金正恩体制を崩壊させ、金漢率(キム・ハンソル=マレーシアで殺された金正男の長男)政権を作らせる。金漢率は無事に米国国内に保護されていることが確認されている。
こういった内容だった。この予言が当たっていれば筆者は副島隆彦のファンになると約束した。そしてこの予言がだんだん真実性を帯びてきているからちょっと怖い。
北朝鮮とアメリカの舌戦が話題だ。トランプと金正恩。どちらも常識的尺度では測れない何かがあるという点で一致したところがある。二人の共通点はもう一つあるか。ビッグマウス。とんでもないことをドカンと言い放って相手を縮み上がらせるが、実際の行動は起こさない。
この二人がけんかすることになると、チキンゲームとなってしまう可能性もある。「チキンゲーム」とは、ある交渉において、二人の当事者が共に強硬な態度をとり続けると悲劇的な結末を迎えてしまうにも拘らず、プライドが邪魔をして双方共に譲歩できない状況を指す。
金正恩はこれまで自分の叔父さんにあたるチャン・ソンテクを死刑に処したり、幹部たちを機関砲で粉々にしたりしているが、そんな、実際に行動に移すような場合は決してぺちゃくちゃぺちゃくちゃとしゃべることはない。マルオプシ(無言)で即実行に移す。
トランプが8月8日「(北朝鮮は)世界が見たことのないような、炎と怒りに直面する」と語ったのを受けて北朝鮮は即、グアムに中距離弾道ミサイル4発を撃ち込む作戦を検討していると「応戦」した。どうもことば数が多いようだ。金正恩のことば数の多いのをみると、ハッタリだろうと筆者には思える。
8日のトランプの「炎と怒り」発言に対して北はグアム攻撃で応戦したけれど、筆者は韓国で生活しているわけだが、韓国の市井の雰囲気はどうだろうか。今のところ「穏やか」である。水の買いだめとか生活必需品の買い漁りなどに走ったりする人はゼロだ。
日本はどうか。日本のメディアはこぞって米朝開戦間近かと危機感を煽った報道をしている。日本と韓国の温度差は顕著だ。日本が戦争を煽る理由は、たぶん戦争をしたくてたまらない人がいるからであろう。
その点、韓国は戦争になったらソウルをはじめ韓国全土が火の海になることは間違いないので戦争だけは避けたいと思っている。最後まで「対話」路線を持続させている一番の理由がこれだ。
ただ、北朝鮮のミサイルは全部ソウルを向いていると言われている。日本ではなくソウルだ。北のミサイルが日本に飛んでいく可能性はゼロだ。グアムに向けて発射したのに「ミス」で日本に降ってくることはあるかもしれないが。意図して日本にミサイルが打ち込まれることはない。北が日本を攻撃する理由がないからだ。日本のマスコミはおもしろがってミサイルが日本に飛んでくるようなことを言っているが、まったく寝言にすぎない。
グアムに向けてのミサイル発射があるかどうか。筆者は「ない」と思っているが、もしあればトランプが即、北朝鮮攻撃へゴーサインを出すだろう。
もしそうなったら朝鮮半島は火の海になる。そうならないことを祈っているけれど。8月の末ごろまでには状況がはっきりしてくるだろうと思われる。二人のことば遊びからチキンゲームにならないことを切に願っている。
問題は、今回の舌戦が平和裡に解決したとしてもずっともやもやとくすぶったまま、来年になり、副島隆彦の予言の通り、4月には北からのミサイルが南に飛んでこないとも限らない点だ。宇宙の力を借りてでも、それだけは阻止したい。
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出典元:まぐまぐニュース!