ラケットを太ももで破壊し、折れ曲がった相棒を見つめるズベレフ【写真:Getty Images】

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全仏1回戦、V候補の新鋭がベルダスコに敗戦、終盤いら立ち爆発でラケット叩きつけ…

 テニスの全仏オープンは3日目の30日、男子シングルス1回戦が行われ、第9シードの20歳、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)は世界ランキング37位のフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)に4-6、6-3、4-6、2-6で破れ、初戦敗退。試合中は劣勢中に苛立ち、自らの太ももでラケットをぐにゃりと曲げて破壊する動画がトルコ放送局「ユーロスポーツ トルコ」で紹介されるなど、優勝候補に推す声もあった新星が後味の悪い黒星を喫した。

 フラストレーションが最高潮に達した。ズベレフは感情を自らの“相棒”にぶつけてしまった。0-1の第2セットを奪い返したが、第3セットは再び奪われた。崖っぷちの劣勢で迎えた第4セットだった。

 自らのショットにミスが出た。すると、いら立ちが我慢できなくなったのか、突如として、ラケットを赤土に叩きつけた。怒りは収まらない。転がったラケットを拾い上げると、先端とグリップを両手で持って上半身を屈め、太ももに押し当てて力を込めた。次の瞬間、ラケットは無残にもぐにゃりと折れ曲がってしまった。

 しかし、その後もリズムを取り戻すことはできず、セットカウント1-3でローラン・ギャロスを去ることになってしまった。

今季ブレイクのズベレフ、自身初の世界ランク10位浮上も…大舞台で若さ露呈

 ズベレフは今季、ブレイクした選手の一人だった。

 自身初の世界ランキング10位に浮上。20歳でのトップ10入りは、ファンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)以来の快挙で、今大会は第32シードに入った兄のミーシャ・ズベレフ(ドイツ)とともに大会初のシードされた兄弟となったことがATP公式サイトでも紹介され、V候補としても注目を集めていた。

 だが、初戦の相手は元世界ランク7位の実力者となった。現在は同37位ながらクレーを得意とする経験豊富な33歳のベテランで、ノーシードで当たる相手としては嫌な相手だったが、結果を残すことはできなかった。

 これまでもコート上でラケットを破壊することが時々見られていたズベレフ。今回は若さを見せてしまったが、苦い経験を糧にしてさらなる成長を見せてもらいたいところだ。