徳島商vs名西
先発・森麗人（名西）
今回ばかりは4併殺の堅守に、打線は4番・千里 卓矢（3年・一塁手・176センチ81キロ・右投右打・阿南シティーホープ）の3打点含む8安打6得点。また投手陣も「内角にストレートとスライダーを投げ切るのが道味」と話す最速136キロ左腕の佐藤 嵐（3年・175センチ80キロ・左投左打・吉野川市立山川中出身）が7回、最速133キロ右腕・槙内 悠介（3年・183センチ83キロ・右投右打・阿南シティーホープ＜ヤングリーグ＞出身）が残り2回を粘り強く投げ、2年ぶり26度目の春季四国大会出場を決めた徳島商でなく、敗れた名西が主人公であることを、お許し頂きたい。
選手10人・名西の健闘は間違いなく今大会のトピックスであった。昨秋県大会では城東に1対10・初戦敗退からの15年ぶり3度目の春ベスト4大躍進。しかも正規部員は8名。準々決勝では昨夏甲子園ベスト8経験者がスタメンに3名残る鳴門から10安打を放ち5−3で競り勝っている。
そしてこの徳島商戦。点差こそ離れたが、見どころは随所にあった。打線は8安打を放ち最終回を除き毎回出塁。8番・篠原 颯斗（2年・三塁手・170センチ72キロ・右投右打・徳島市国府中出身）が二塁打含む2安打を放つなど、「この冬はバットを振り込んできた」（田村 仁監督）成果を上位から下位まで見せていた。
そして今大会4試合32イニングをすべて投げ切ったエース・森 麗人（3年・右投右打・178センチ68キロ・石井町立高浦中出身）も「中学時代から身体に合っていた」縦スライダーで10奪三振。これには徳島商・森影 浩章監督も「カット系のボールがよかった」と賞賛を惜しまなかった。
それでも1番・中堅手として躍動した本梅 遼太郎（3年・中堅手・左投左打・161センチ51キロ・石井町立高浦中出身）には満足感はない。「エラーが多すぎました。守備を鍛えないといけない」。この主将の弁が具現化すれば、今大会チームが目標にしていた「県大会制覇」を最後の夏に達成できる可能性は十二分にある。
（取材・写真＝寺下 友徳）
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