大阪桐蔭vs東海大福岡
大阪桐蔭vs東海大福岡
｢初球が甘く入ってしまい打たれてしまった。打たれた時はファウルになるかなと思ったが、甘くなった分フェアになったと思います。キャッチャーの北川にはゴメンと言いました｣東海大福岡のエース・安田 大将が振り返るのは5回の1点目。場面は二死一塁で今大会初スタメンとなった大阪桐蔭の8番・泉口 友汰（3年）と対したところだ。
ポイントとなった初球の入り。｢2アウトになって早く打ち取りたいという気持ちになった。焦ってしまい、簡単にストライクを取りにいってしまった｣。キャッチャーの北川 穂篤（3年）はやや高めのストライクとボールのギリギリの所に構える。要求は直球だった。しかし投げた瞬間、｢甘い｣と感じた。泉口の打球はライト線へと上がる。ファウルになってほしいという願いがかなわず、フェアゾーンに落ちた。一塁走者の山田 健太（2年）が一気に生還し、両チーム0行進の緊迫した流れはここで途切れた。
｢前半はリズム良く投げられていたが、失点したところは粘れなかった。みんなに申し訳ない｣と目線を落とした安田。終盤には大阪桐蔭打線に捕まり、流れを完全に取り戻すことができなかった。｢相手がどこでも自分のピッチングを貫くことを考えていた。でも最後にツメ甘さが出てしまった｣と課題を話した安田。
しかしこの3試合で大きく成長したのは確かだ。大久保 朋主将（3年）や上田 佳乃マネージャー（3年）も｢逞しくなったと思います｣と声を揃える。｢野球はスピードとパワーだけではないとあらためて感じた。夏へ向けてもスピードより、今までやってきたことをもっと深く追求していきたい｣。今大会を沸かせたサイドスローは決意を新たにして甲子園を後にした。
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