CBS MarketWatchによると、13日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、米国標準油種WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の7月物は、15日のOPEC（石油輸出国機構）総会を控え、また、メキシコ湾岸で発生した熱帯性低気圧「アーリーン」のメキシコ湾の石油精製施設への影響の懸念から反発し、前週末比3.9％増の1バレル＝55.62ドルに大幅上昇した。

　　サウジアラビアのヌアイミ石油相は11日、日量50万バレルの増産提案を支持すると語り、増産が焦点となっている。しかし、すでに、OPECは公式の原油生産枠を日量200万バレルを超えて生産しており、増産が実質的な原油価格に及ぼす影響は小さいと見られている。

　　一方、熱帯低気圧「アーリーン」は勢力を保ち、週末にはハリケーンに変わると見られており、米内務省管轄のMMS（鉱物資源管理局）は施設装備の避難を警告した。米国の石油・ガス精製の4分の1を担うメキシコ湾岸の製油所群では9日以降、1日当たりの石油精製量の1.74％にあたる2万5500バレルの精製減少を余儀なくされており、「今週のエネルギー省発表の在庫量や市場心理に多少の影響を与えるかもしれない」（カー・トレーディング・インターナショナルのケビン・カー氏）との懸念の声が聞かれた。これを受け、ガソリン7月限は前週末比0.7％高の1ガロン＝1.5542ドル、暖房油は、7月限が同3.5％高の1ガロン＝1.6631ドルと、いずれも反発して引けた。　【了】