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●ZenFone 3概要
ASUS JAPANは28日、PC級の高パフォーマンスを発揮するCPUを積み、4K動画撮影に対応、ハイレゾ音源の再生をサポートし、2枚のSIMカードでデュアルスタンバイでき、キャリアアグリゲーションに対応、指紋認証センサーを搭載した5.2型のSIMフリースマートフォン「ZenFone 3」と、その上位機種となる5.5型および5.7型の「ZenFone 3 Deluxe」を発表した。

○”性能怪獣”ZenFone 3

都内で開催された記者説明会には、ASUSでモバイルマーケティングを担当しているエリック・ハーマン氏が登壇して詳細を説明した。ASUSではこれまで”性能怪獣”という呼び名で、ZenFoneシリーズのスペックの高さをアピールしてきた。この日に発表された「ZenFone 3 ZE520KL」は正にモンスター級のスペックを備えるスマートフォンとなっている。

プロセッサには世界初搭載となるCPU「Qualcomm Snapdragon 625」を積んだ。メモリは3GB。エリック氏は「他のスマートフォンでは体験できない高グラフィックのレーシングゲームも楽しめる」と胸を張った。ネットワークに関しては2CAキャリアアグリゲーションに対応、最大300MbpsのLTE通信をサポートする。また2枚のSIMカードが挿入でき、同時待ち受け機能「デュアルSIMデュアルスタンバイ」を実現する。au VoLTEにも対応した。エリック氏は「マルチキャリア対応でSIMフリーをもっと自由に」とアピールする。

音楽に関しては強化されたSonicMaster 3.0に加え、高音質音源「ハイレゾ」に対応。CDの約4倍の音質で楽しむことができるという。このほか、高精細・高画質な4K動画の撮影に対応した1,600万画素の高性能カメラを搭載。背面にはカメラのほか、指紋認証センサーも装備している。

●ZenFone 3 Deluxe概要
○妥協を知らぬ、ZenFone 3 Deluxe

ASUSではZenFone 3のほかに、その上位機種となる5.7型のZenFone 3 Deluxe ZS570KL、および5.5型のZenFone 3 Deluxe ZS550KLも提供する。こちらは、オールメタルの背面が美しいモデルだ。特にZS570KLはCPUにQualcomm Snapdragon 821を採用、6GBのメモリに256GBの内部ストレージを搭載、背面に2,300万画素のメインカメラを備えるなど「妥協を知らぬ、デラックスの極み」というキャッチに違わぬ機種となっている。

発売日と価格は、ASUSTeK Computer Inc.のジョニー・シー会長から発表された。ZenFone 3 ZE520KLの発売日は10月7日で、予想実売価格は税別(以下同)39,800円。ZenFone 3 Deluxe ZS570KL、ZenFone 3 Deluxe ZS550KLの発売日はともに10月下旬以降で、予想実売価格はZS570KLが89,800円、ZS550KLが55,800円となっている。ビックカメラ、ヨドバシカメラといった家電量販店で販売されるほか、IIJmio、LINE MOBILE、UQ mobile、楽天モバイルといったMVNO各社からもSIMカードとのセットで販売される見通しだ。

●レッドモデルがないのはなぜ?
○au VoLTEはベストマッチ

記者説明会の終了後、ジョニー・シー会長が囲み取材に応じた。グローバルでZenFone 3を発表してから日本で発表するまでに、時間がかかったのではないか、との質問には「COMPUTEX TAIPEI 2016の開催が例年より早かったため。まず中国国内で発表した後に、出来る限りすみやかに日本でも発表した」と回答した。カラバリについて、従来機で特徴的だったレッドモデルがないことについて聞かれると「検討はしていたが、背面素材を活かせる、最も美しい色をあれこれ試した結果、ベストな色だったのがサファイアブラックとパールホワイトだった。日本市場では男女関係なく白が好まれるといった傾向も加味した」としている。

au VoLTEに対応させた点について聞かれると「日本の消費者はサービスや製品に要求するレベルが高い。そこで、最も進化した通信技術でVoLTEに対応させたかった。auさんのVoLTEはベストマッチだったと思っている」と回答。新製品の想定価格が高めだったことについては「日本の消費者は高性能でクオリティの高い、そして美しい製品を求めている。そこで我々も、どのような製品を提供していくべきか考えている。今回の製品は高価格に感じられるかも知れないが、デザイン、カメラ、オーディオ、CPUといった性能に秀でている」と回答。スペックの高さを考えれば、この想定価格も納得いただけるのではないか、といった考え方を示した。

デザインには相当なこだわりをもって開発しているようで、ジョニー氏は続けて「禅の心を表現するには、もっと簡素なデザインにすべきと考えている。現行モデルはディスプレイ部にガラスがあり、それを囲むように筐体はメタル素材でできている。しかし、いずれはガラス1枚で出来ているような、単一の素材になると良いと思っている」と話した。

AppleがiPhone 7においてFeliCaを搭載したことについて聞かれると「日本市場を考えたときに、FeliCaの搭載を考える必要があったのだと思う。日本は面白い市場。日本で起きていることと、世界との違いを感じることがある。いま世界のインターネット業界では様々な新しい動きが出てきている。それにより、複数の業界でディスラプション(破壊)が起きている。日本でも起きてはいるが、起こり方が独特。FeliCaの件なども、その好例だったのではないか。世界は目まぐるしく変化している。我々としては、身を空にする、といった禅の心でこれからもベストを尽くすことが大事だと心得ている」とまとめた。

(近藤謙太郎)