都立小平南vs大成

最後まで諦めなかった都立小平南の大9回の逆転劇！

　太陽が雲の隙間から覗く府中市民球場にて、7月5日（日）に行われる予定であった大成vs都立小平南の試合が開催された。両チームともにブラスバンドや応援団の声援で試合前から賑わう。

　試合は、初回から互いに2本ずつ安打が出るも要所を大成の先発・村井 勇介と都立小平も先発・佐藤が抑える。

　試合が動いたのは、4回表の大成の攻撃。5番・石井 綾登が出塁し、好投を続ける7番・村井が中前へ安打を放ち二死一塁のチャンスを作る。8番・三浦 友暉の放った打球も中前安打となり1点を先制する。9番・岩田 直樹が左前安打で続き、二死満塁と再びチャンスを広げる。ここで1番・佐藤 巧輝が放った打球を遊撃手が飛びつき止めるも安打となり、さらに1点を加える。

　しかし、都立小平南も反撃をする。5回裏に先頭の7番・高橋 秀弥が内野安打で出塁し、8番・林 悠月が四球を選び無死一二塁とする。9番・佐藤 翼が送りバントを決め、一死二、三塁と反撃のチャンスを作ると、1番・妹尾 敦也の2点適時打で早々に同点とする。

　同点にされた大成だが、その後度重なるピンチを好守でしのぎ、守備からリズムを作る。7回表、大成は先頭の2番・古屋 海登が中前安打で出塁すると4番・梅崎 裕二の中前安打で1点をもぎ取る。応援スタンドの大きな歓声に応えるように塁上での梅崎のガッツポーズ。後続2人はゴロに倒れ反撃は1点のみとなったが、待望の勝ち越し点を得た大成。

　勝ち越しに成功した大成は、投手を好守で活躍していた村井 勇介から多田大輝に交替する。7回8回と四球でランナーを出すも要所を抑え3対2で9回裏を迎える。

　このまま大成が逃げ切るかと思われた。しかし最後まで諦めない姿勢を見せたのは、都立小平南であった。攻撃が始まる前には、選手たちが気合いを入れる姿に、応援スタンドもこれを盛り上げる。

　先頭の6番・葛島 祥平が頭部への死球で臨時代走が出される。これに動揺してしまったのか、ミスや四球で一死満塁のピンチを招いてしまう大成。ここで迎える打者は、5回に同点の2点適時打を放った1番・妹尾敦也。同点打と同じく、妹尾が放った打球は中前に落ち、走者2名が生還し勝利を決める。9回裏に劇的なサヨナラで勝利した都立小平南ナインは喜びを爆発させ、試合終了後には大成ナインと熱い握手を交わした。

　1点を争う試合を決めたのは、最後まで諦めない都立小平南の気持ちではないかと感じさせられる一戦であった。

　勝利した都立小平南は、明日11日に多摩市一本杉公園野球場で東京都市大付との対戦が決まった。

（文＝佐藤 友美）