仙台育英（宮城）編「次々と逸材を輩出するライオン軍団こと仙台育英のつながり！」

左から高校時代の上林 誠知選手、梅津 晃大選手

　宮城の雄・仙台育英の甲子園出場は、春夏通算35回を誇る。1989年の選手権と2001年のセンバツ大会では準優勝。2012年と14年の明治神宮大会で優勝するなど、コンスタントに結果を出し続けている。プロ野球界にも、最近では橋本 到選手（読売ジャイアンツ）や由規選手（東京ヤクルトスワローズ）、上林 誠知選手（福岡ソフトバンクホークス）を送り出し、今年も平沢 大河選手、佐藤 世那選手がプロ注目選手として活躍を見せている。

大越基さんをはじめ、佐藤由規、上林誠知など名だたる逸材を輩出！

　2001年センバツ大会準優勝時のメンバーでは、当時、2年生で5番を打っていた菊池 俊夫選手が2002年ドラフトでオリックスから指名されて入団。セカンドを守っていた中谷 翼選手は独立リーグを経て、2005年ドラフトで広島から育成で指名された。また、メンバー外で太鼓を叩いていたのが矢貫 俊之選手。大学、社会人を経てプロ野球選手となった。この世代でマネージャーだった須江 航さんは、仙台育英学園秀光中等教育学校軟式野球部監督として、昨年の全国中学校軟式野球大会で優勝に導いた指導者。エースだった芳賀 崇さんは今年から村田に赴任し、高校野球の指導者としてスタートを切った。

　甲子園最速の155キロをマークした由規選手はここ数年、怪我で苦しんでいるが、2010年には日本人最速の161キロを投じている。由規選手の同級生で東北福祉大を経てヤクルト入りしたのが中根 佑二選手。由規選手の1学年下でキャプテンを務めていたのが「みちのくのイチロー」と呼ばれた橋本 到選手だ。3年夏の甲子園では初戦で5打数5安打など、3試合で24打数12安打と活躍した。

　橋本選手が3年生の時、1年生ながら唯一、ベンチ入りし、甲子園のマウンドも経験したのが木村 謙吾選手だ。3年夏にエースナンバーを背負って甲子園へ。1回戦の開星戦は多くの高校野球ファンの記憶に残る試合となった。4対5の9回、二死満塁で日野 聡明選手の打球はセンターへ。この打球を開星の中堅手が落球し、逆転した。その裏、二死一、二塁で左中間を抜けそうな打球に、レフトを守っていた三瓶 将大選手がダイビングキャッチし、ゲームセット。この2010年のメンバーは今年3月に大学を卒業し、三瓶選手はバイタルネット、主将だった井上 信志選手は日本製紙石巻、木村選手と2枚看板だった田中 一也選手はJR東日本東北と社会人野球に進んだ。

　2012年の明治神宮大会で優勝した世代は現在、大学2年生。2枚看板の1人だった馬場 皐輔選手は仙台大で2年連続大学選手権出場に貢献。正捕手だった小林 遼選手も富士大でレギュラーとなり、大学選手権でマスクを被った。立教大の熊谷 敬宥選手も試合に出場するなど、進んだ先でも活躍を見せている。ソフトバンクに入団した上林 誠知選手もファームで好成績を残している。

注目記事・夏よりも熱い！全国の野球部に迫った人気企画 「僕らの熱い夏2015」・第97回全国高等学校野球選手権大会特設ページ・【ひとまとめ】2015年の全国各地の高校野球を占う！

[page_break:2008年卒〜2015年卒までの仙台育英OB]2008年卒〜2015年卒までの仙台育英OB

　今回は2008年以降の逸材を紹介していきたい。卒業生を見ていくと、プロだけではなく、東北地区の大学、社会人で活躍する選手が多いのが特徴的。先輩たちの活躍にもぜひ注目していただきたい。

■2008年卒・佐藤 由規（東京ヤクルトスワローズ）・中根 佑二（東北福祉大−東京ヤクルトスワローズ）

■2009年卒・橋本 到（読売ジャイアンツ）

■2011年卒・木村 謙吾（元東北楽天ゴールデンイーグルス）・三瓶 将大（東北学院大−バイタルネット）・佐々木 憲（東日本国際大−福島ホープス）・井上 信志（東北学院大−日本製紙石巻）・佐藤 貴規（東京ヤクルトスワローズト−福島ホープス）・田中 一也（青山学院大−JR東日本東北）

■2013年卒・渡邊 郁也（青山学院大3年）・小杉 勇太（日本体育大3年）・郷古 裕樹（仙台大3年）

■2014年卒・上林 誠知（福岡ソフトバンクホークス）・鈴木 天斗（東北福祉大2年）・馬場 皐輔（仙台大2年）・小林 遼（富士大2年）・熊谷 敬宥（立教大2年）・長谷川 寛（早稲田大2年）

■2015年卒・梅津 晃大（東洋大1年）・佐藤 聖也（日本体育大1年）

（文・高橋 昌江）

注目記事・夏よりも熱い！全国の野球部に迫った人気企画 「僕らの熱い夏2015」・第97回全国高等学校野球選手権大会特設ページ・【ひとまとめ】2015年の全国各地の高校野球を占う！