歌舞伎町の華・ホストクラブの危機をどうする「歌舞伎町の彼氏」
歌舞伎町に、巨大ゴジラが目印のシネコンTOHO シネマズができてからもうすぐ2ヶ月。靖国通りのドンキホーテを右手にシネコンに向かう道をゴジラ目指して歩くと、客引き禁止のシリアスなアナウンスが流れてくるは、シネコンの手前には風俗店の案内所があるはと、見たり、飲んだり、エロだったり、あらゆる娯楽が歌舞伎町にはあるなと実感。椎名林檎の「歓楽街♪」という旋律がいまこそしっくり来る。お父さんお母さんに連れられて『名探偵コナン』や 『ドラゴンボール』や『シンデレラ』を観に来て、子供ながらに魅せられた結果、どういう大人になるか楽しみだ(無責任)。
とはいえ、オリンピックも控え、海外から旅行に来た方々への気遣いなども含め、近年行われている歌舞伎町のクリーン化によって多くの水商売従事者たちがこの街を徐々に追われている。歌舞伎町の華・ホストクラブもこの危機に遭っており対抗策を講じているところ。
そのひとつが「ネオホスト」化。昨年、テレビでも紹介され注目を集める、従来の、ギラギラした欲望を満たすべく女を手玉にとる俺様系ホストではなく、職場や大学にいそうなカジュアルファッションの親しみやすいホストが生まれているのだ。
彼らはいったいどんななのか、ほんとにギラギラしてないのか気になるけれど、それでホストクラブに行ってものすごいお金を払わされたら、と二の足を踏んでしまう気持ちを察してか、いま人気を集めているネオホストたち6人のDVD/「歌舞伎町の彼氏」が発売された。これで彼らの全貌がチェックできる。
「この先、あなたがハマるかもしれない6人の男」というコピーで煽る110分のDVDを、ほとんど予備知識なしで見てみた。
冒頭、「光の粒で飾られた街・ 歌舞伎町」というかわいい女性の声のナレーションで夜の歌舞伎町が映し出される。音楽もポップ。かわいい女性ナレーションは「恋の魔法にかけられてみない?」とたたみかけて、順番に6人のホストの接客の様子やプライベートを紹介していく。この雰囲気は、恋愛シミュレーションゲームのキャラクター紹介みたいに近いといっていいかもしれない。
では、登場する6人のホストくんを簡単に紹介してみよう。
AIR GROUP 渚光(なぎさ・ひかる)
1ヶ月で3500万円稼ぎだしたこともあるリアル1億円ホスト。やたら強気な感じはわりといわゆるホストのイメージだが、プライベートで銭湯が好きというギャップが用意されている。「撮影のまえには風呂に長く入る」という真摯な心がけが微笑ましい。
クラブ オールブラック 桐生レイラ
フランス生まれのブラジル育ち。ダンサー、歌手などさまざまな顔をもち、情熱と優しさも合わせもつ。
前職はレストランの厨房、そこで磨いた料理の腕を披露してくれる。
スマートにやっているように見えたけれど、カメラがまわるなか、しゃべりながら料理するのは困難だったらしい。
クラブ アイドル(ドルは$) 鳳条彪(ほうじょう・あや)
不可能を知らない伝説のホスト。
高層タワーマンションのベランダから米粒のような家並みを見下ろし、この世界には裏切りがいっぱいあるが、慣れなきゃいけないというような決意を語る。
何より印象的だったのは、彼の接客に見せられたお客さんに「女の子のハートは熱帯夜です」というナレーション。このDVD 、わんさとキャッチコピーになりそうなフレーズが出て来る。構成作家、すばらしい。
クラブ オールホワイト 流川楓(るかわ・かえで)
「次世代ホストの教科書」「超草食系ナチュラルホスト」
かなり従来のホストのイメージとは違う杉浦太陽とか小泉孝太郎みたいな清潔感のあるかわいらしい感じで「まじカレ接客」をする姿が流れる。
クラブ・オールホワイト 蒼月空(あおつき・そら)
ずっと見つめていたい究極の美少年 新時代のホスト オアシス接客が売り。
彼は、店の代表と先輩との3人暮らしの様子を披露。その部屋でうれしそうに納豆ご飯を食べるところは庶民的過ぎるほど。
AAA 望月大智(もちづき・だいち)
「ライバルはさぼり癖」と言い、その心は「神様っているわけない。自分以外は信用できない。神頼みするまえに努力」。このストイックさが溜まらない。心理学を独学で学び、それを駆使しているらしい。俺様語りのあと、やっぱり出て来るギャップに注目。
6人6通りの魅力を追いかけながら、途中、楓と空が語り合うコーナーがあって、お店の代表・芹沢那智さんが出て来て「草食が過ぎるよ」と注意する場面も。
「100万する時計を、買って1週間でなくした」と言うと、代表は「3日ってことにしておけ」とアドバイス。昔のホストみたいにギラギラ見せてはいけないけれど、草食系は草食系で盛っているのだというリアルもチラと見せるところが巧い。
以上、6人。
ビジュアルも性格も6通りで、ちょっと実際遭ってみたくなったところ、タイミングよく、DVD発売記念、ホストくんと撮影&握手会が、アイドルのサイン会で知られる福家書店の新宿サブナード店(歌舞伎町のそば)で行われると聞き、行ってみた。
夜の間接照明とは違う、やたら明るい書店にあらわれた6人は、蛍光灯のしたでもキレイだった。
しょっちゅうホストクラブで会っているにもかかわらず、さらに撮影と握手会まで来る熱心なお客さんってすごいと思ったが、なかには、まだホストクラブに行けないけれどたまたまイケメンたちが気になって来た通りすがりのひとも。10代の女の子にはホストくんたちも驚いた様子だったが、「あと4年経ったらお店に来てね(はぁと)」と営業を忘れなかった。
ほかに、全員での撮影はいらない、お気にのホストとだけでいいという一途なお客さんもいて、ホストくんの接客テクニックによってつくられた濃密な関係性に目を見張らされた。
AIR GROUPでは、ホストくんたちにユニットを組ませ音楽活動も行っていて、夜のホスト活動以外にも積極的。
ネオホストの時代、新たな顧客を求めて、昼活動が増えていくのかもしれない。これぞ新しい形の“店外”接客か。
もはや会いに行けるアイドルとホストとの違いがよくわからないことに・・・。
「DVDよりも実際のほうがもっとかっこいいのでお店に来てみてください」(渚光さん)と最後の最後まで営業を忘れない。ご立派!
実際に生で彼らを見ると、お客さんにめっちゃ優しく接し、取材記者の私にも会釈を忘れないタイプと、ちょっと斜に構えていて、無関係なひとには目もくれないが、自分の太客にはものすごくサービスするタイプと、対応もいろいろ。どちらにも萌えるお客さんがいるのだろう。
いずれにしても、DVDは6人6通りの美しいお顔やカラダが眼福だ。
(木俣冬)
カジュアルファッションのホスト
そのひとつが「ネオホスト」化。昨年、テレビでも紹介され注目を集める、従来の、ギラギラした欲望を満たすべく女を手玉にとる俺様系ホストではなく、職場や大学にいそうなカジュアルファッションの親しみやすいホストが生まれているのだ。
彼らはいったいどんななのか、ほんとにギラギラしてないのか気になるけれど、それでホストクラブに行ってものすごいお金を払わされたら、と二の足を踏んでしまう気持ちを察してか、いま人気を集めているネオホストたち6人のDVD/「歌舞伎町の彼氏」が発売された。これで彼らの全貌がチェックできる。
「この先、あなたがハマるかもしれない6人の男」というコピーで煽る110分のDVDを、ほとんど予備知識なしで見てみた。
不可能を知らない伝説のホスト
冒頭、「光の粒で飾られた街・ 歌舞伎町」というかわいい女性の声のナレーションで夜の歌舞伎町が映し出される。音楽もポップ。かわいい女性ナレーションは「恋の魔法にかけられてみない?」とたたみかけて、順番に6人のホストの接客の様子やプライベートを紹介していく。この雰囲気は、恋愛シミュレーションゲームのキャラクター紹介みたいに近いといっていいかもしれない。
では、登場する6人のホストくんを簡単に紹介してみよう。
AIR GROUP 渚光(なぎさ・ひかる)
1ヶ月で3500万円稼ぎだしたこともあるリアル1億円ホスト。やたら強気な感じはわりといわゆるホストのイメージだが、プライベートで銭湯が好きというギャップが用意されている。「撮影のまえには風呂に長く入る」という真摯な心がけが微笑ましい。
クラブ オールブラック 桐生レイラ
フランス生まれのブラジル育ち。ダンサー、歌手などさまざまな顔をもち、情熱と優しさも合わせもつ。
前職はレストランの厨房、そこで磨いた料理の腕を披露してくれる。
スマートにやっているように見えたけれど、カメラがまわるなか、しゃべりながら料理するのは困難だったらしい。
クラブ アイドル(ドルは$) 鳳条彪(ほうじょう・あや)
不可能を知らない伝説のホスト。
高層タワーマンションのベランダから米粒のような家並みを見下ろし、この世界には裏切りがいっぱいあるが、慣れなきゃいけないというような決意を語る。
何より印象的だったのは、彼の接客に見せられたお客さんに「女の子のハートは熱帯夜です」というナレーション。このDVD 、わんさとキャッチコピーになりそうなフレーズが出て来る。構成作家、すばらしい。
クラブ オールホワイト 流川楓(るかわ・かえで)
「次世代ホストの教科書」「超草食系ナチュラルホスト」
かなり従来のホストのイメージとは違う杉浦太陽とか小泉孝太郎みたいな清潔感のあるかわいらしい感じで「まじカレ接客」をする姿が流れる。
クラブ・オールホワイト 蒼月空(あおつき・そら)
ずっと見つめていたい究極の美少年 新時代のホスト オアシス接客が売り。
彼は、店の代表と先輩との3人暮らしの様子を披露。その部屋でうれしそうに納豆ご飯を食べるところは庶民的過ぎるほど。
AAA 望月大智(もちづき・だいち)
「ライバルはさぼり癖」と言い、その心は「神様っているわけない。自分以外は信用できない。神頼みするまえに努力」。このストイックさが溜まらない。心理学を独学で学び、それを駆使しているらしい。俺様語りのあと、やっぱり出て来るギャップに注目。
6人6通りの魅力を追いかけながら、途中、楓と空が語り合うコーナーがあって、お店の代表・芹沢那智さんが出て来て「草食が過ぎるよ」と注意する場面も。
「100万する時計を、買って1週間でなくした」と言うと、代表は「3日ってことにしておけ」とアドバイス。昔のホストみたいにギラギラ見せてはいけないけれど、草食系は草食系で盛っているのだというリアルもチラと見せるところが巧い。
濃密な関係性に目を見張る
以上、6人。
ビジュアルも性格も6通りで、ちょっと実際遭ってみたくなったところ、タイミングよく、DVD発売記念、ホストくんと撮影&握手会が、アイドルのサイン会で知られる福家書店の新宿サブナード店(歌舞伎町のそば)で行われると聞き、行ってみた。
夜の間接照明とは違う、やたら明るい書店にあらわれた6人は、蛍光灯のしたでもキレイだった。
しょっちゅうホストクラブで会っているにもかかわらず、さらに撮影と握手会まで来る熱心なお客さんってすごいと思ったが、なかには、まだホストクラブに行けないけれどたまたまイケメンたちが気になって来た通りすがりのひとも。10代の女の子にはホストくんたちも驚いた様子だったが、「あと4年経ったらお店に来てね(はぁと)」と営業を忘れなかった。
ほかに、全員での撮影はいらない、お気にのホストとだけでいいという一途なお客さんもいて、ホストくんの接客テクニックによってつくられた濃密な関係性に目を見張らされた。
AIR GROUPでは、ホストくんたちにユニットを組ませ音楽活動も行っていて、夜のホスト活動以外にも積極的。
ネオホストの時代、新たな顧客を求めて、昼活動が増えていくのかもしれない。これぞ新しい形の“店外”接客か。
もはや会いに行けるアイドルとホストとの違いがよくわからないことに・・・。
「DVDよりも実際のほうがもっとかっこいいのでお店に来てみてください」(渚光さん)と最後の最後まで営業を忘れない。ご立派!
実際に生で彼らを見ると、お客さんにめっちゃ優しく接し、取材記者の私にも会釈を忘れないタイプと、ちょっと斜に構えていて、無関係なひとには目もくれないが、自分の太客にはものすごくサービスするタイプと、対応もいろいろ。どちらにも萌えるお客さんがいるのだろう。
いずれにしても、DVDは6人6通りの美しいお顔やカラダが眼福だ。
(木俣冬)