『連続テレビ小説 まれ Part1』NHK出版

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朝ドラ「まれ」(NHK 月〜土 朝8時〜)6月3日(水)放送 第10週「逆転一発パンケーキ」第57話より。脚本:篠崎絵里子(崎の大は立) 演出:一木正恵

心酔しているケーキのお店「マ・シェリ・シュ・シュ」の意味は「まんで愛しい人」という意味と知った希(土屋太鳳)は、その人を、オーナー池畑大悟(の妻・輪子(りょう)のことと想像します。
希の祖母・幸枝(草笛光子)も娘・藍子(常盤貴子)を捨ててケーキをとったようでじつは深い愛情をもっていたように(第6週)、朴念仁のように見える大悟も輪子を深く愛しているのでしょうか。
大悟の本心はまだわかりませんが、輪子の内助の功が発揮された57話でした。
いよいよ、店が崖っぷちに立たされたとき、舞い込んだテレビ出演の話。でも、起死回生のチャンスにも大悟は首を立てに振りません。
そこへ、輪子さんです。
テレビの料理対決の対戦相手・若きカリスマパティシエ・西園寺一真(黄川田将也)が雑誌で大悟のケーキを酷評しているのを見て、輪子が「挑発」してると煽ると、大悟は「たたきのめしてやる!」と打って立つ決心をします。負けず嫌いの大悟の操縦方法を熟知している輪子のおかげで、大悟はかなり救われてきているのだろうなあと思わせる場面でした。
占い師だけあってタイミングやひとの心を読むのがうまいのでしょう。
輪子と大悟の関係も、2話にでてきた能登の「とと楽」(働き者の母さんのおかげでだんなは楽に暮らしている)のようであります。
出来た奥さん・輪子が陶子(柊子)を占って「災厄は西から 幸運も西から」と言います。陶子は「どっちも西?」と怪訝そうですが、我々視聴者は、西といったら希だろうとにやりとする寸法です。
希「来た・・・ 一発逆転 奇跡の満塁ホームラン!」
徹「いけ希! 奇跡の子! めったにない子!」
そういえば、希の名前の由来はそれでした。
奇跡を夢見てノリノリの父と子の姿が妙に印象深かったです。で、こういうとき、タイミングよく(?)徹は星柄セーターを着ているのです。はたして、西から来た者によって状況は、災い転じて福となすのでしょうか。(木俣冬)

今日の、名場面


大悟の過去を駆け足で紹介するとき、小日向文世さんの元気いっぱいの動きが可愛らしい

今日の、勝手に小姑ツッコミ


西園寺のページの扉写真と、挑発のイメージがDJ。なんなんだろ、これ・・・

(木俣冬)

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いまひとつ視聴率が伸びないが、奮闘は讃えたい。NHK朝ドラ「まれ」おさらい(54話までを総括))