作新学院vs聖望学園
延長10回に試合を決める一打を放った森田大我（作新学院）
外野のバックスクリーン後方に雄大な富士山を臨む山梨県富士北麓公園野球場で行われた関東大会1回戦。
第一試合は、作新学院（栃木1位）vs聖望学園（埼玉3位）。余談ではあるが、作新学院はこれまで関東大会の出場回数が25回と最多で、3回優勝した経験がある。強豪ひしめく関東の中でもトップクラスの高校と言える。対する聖望学園が勝ち抜いてきた埼玉県も都道府県別の優勝回数でみると、東京の次に優勝回数が多い県である（同数で神奈川県）。
最初に試合が動いたのは、2回裏の作新学院の攻撃。あっという間に二死とされるも、7番・黒��健斗が安打で出塁すると、すぐさま盗塁を決め二死二塁のチャンスを作ると、続く8番・横尾 宜甫が中堅手の頭上を越える3塁打を放ち作新学院が1点を先制する。
聖望学園もすぐさま反撃に出る。5番・平湯達貴の左前2塁打からチャンスを作った4回の攻撃では、続く6番・枝松 健太も出塁しチャンスを迎えたところで、7番・後藤聖の打席に代打・宮嶋 廉を送る。この起用が功を奏し、左前への安打で1点を返し同点とする。
しかし、このまま両チームの投手の好投や、関東大会レベルと言える好守で、お互い得点が得られないまま延長戦へ突入。
試合を1人で投げきった松本龍尭（聖望学園）
延長戦では、タイブレーク制度が採用されるため9回を終わった段階で、10回からの攻撃開始のバッターを選択することができる。聖望学園は、本日3安打の活躍を見せていた3番・菊地誠人からの打順を選ぶ。しかし菊地は併殺に打ち取られ、二死三塁となる。ここで4番・大野 亮太も打ち取られ10回表に得点を加えることができなかった。
作新学院は、2番・吉沢 優真を選択する。吉澤の放った打球は左翼に飛び、サヨナラ打となるかと思われたが左翼手の好守でアウトとされ、さらに飛び出した2塁ランナーもアウトになり、作新学院も聖望学園同様にチャンスを併殺で潰された形となった。
しかし、3番・添田 真海が四球を選び二死一、二塁のチャンスを再び作り迎えるバッターは4番・森田大我。本日は、2巡目の打席で放った安打1本のみだった。森田が放った打球は、センターに飛ぶものの、中堅手が追いつくことができず、2塁ランナーが生還し、作新学院の勝利が決定した。
試合を振り返っても、「1点をどちらが取れるのか」緊迫した試合展開に、関東大会のレベルの高さを実感できた。
本日勝利した作新学院は、明日山日YBS球場で行われる第3試合目に東京王者・日大三との対戦が決まった。2回戦から、東京と栃木の1位同士が激突するという熱い展開となった。明日も、関東大会から目が離せない。
（文＝佐藤 友美）
