27日、横浜市内で行われた株主総会後、株主と懇談する日産自動車のゴーン社長(撮影:常井健一)

写真拡大 (全2枚)

日産自動車<7201>の定時株主総会が27日、横浜市のパシフィコ横浜で開かれ、昨年より93人多い1742人の株主が来場した。冒頭で、カルロス・ゴーン社長は、同社の創業地に近い同市のみなとみらい地区への本社移転を当初計画から1年前倒しし、横浜開港150周年にあたる2009年に実施すると発表。帆船をモチーフにした新社屋のイメージ図を示し、「故郷の横浜に戻れることを楽しみにしている」と述べた。

 総会では計13人の株主が質問に立ち、利益率の改善などゴーン体制による改革の成果をたたえる声が多く聞かれた。8カ月連続で前年比割れを続けている06年上半期の販売不振や、株価がトヨタなど国内大手の水準にまで戻っていないことを株主から指摘されると、ゴーン社長は「自信を持って信頼してほしい」「コミットメント(必達目標)を達成する強い意志を持っている」とこぶしを握りながら、繰り返し訴えた。

 昨年に続き横浜で開かれた総会で、株主総数約22万人のうち、議決権を行使した株主の数は約6万5000人。所要時間は昨年より36分短い2時間27分だった。業績向上への意欲を高める目的で従業員に無償で新株予約権を発行する案など全議案が承認された。終了後は隣接する宴会場で経営陣と株主の懇談会を実施、ゴーン社長から率先して握手を求めては、株主からの質問や記念撮影に応じていた。【了】

■関連記事
5月の生産・販売・輸出実績