衆院懲罰委員会(岩國哲人委員長)は22日午前、偽メール問題をめぐり、永田寿康衆院議員(民主党の党員資格停止中)が「身上弁明」を行い、メールの入手経路、内容を本物と信ずるに至った経緯などを説明、「浅はかにも本物と思いこんでしまった」と語った。

 ライトグレーのスーツに身を包んだ永田議員は弁明に先だって、神妙な面持ちで、身上弁明の機会を与えた委員会に感謝の意を表した。さらに、自民党と武部勤幹事長、同氏の二男に対して「事実無根の疑惑によりその名誉を著しく毀損(きそん)した」として陳謝、深々と頭を下げた。

 永田議員は、2月16日の衆院予算委員会で採り上げたライブドアの堀江貴文前社長からとされる送金指示メールを、「根拠のない偽物」と明言。また、3000万円送金の事実やライブドア資金が武部幹事長周辺に流れたとする疑惑も「まったくの事実無根」と述べた。

 その上で、永田議員は、問題の偽メールを入手した経緯や内容の信ぴょう性を信ずるに至った一部始終を細かに説明、「浅はかにも本物と思いこんでしまった」と述べた。また、国会での追及に当たっては、情報仲介者との間に金銭の授受はなかったと主張したが、問題のメールの受信人とされるライブドア元社員はもとより、同メールを仲介したフリー記者の名前などについては、明らかにすることを避けた。
 
 永田議員は最後に、偽メールを国会で採り上げた責任は「すべて私にある」と語り、懲罰動議が提出されたのは「当然のこと」と受け止め、「速やかにご審議いただけるよう、真摯(しんし)な態度で委員会に臨む所存であります」と、現在の心境を述べて身上弁明を終えた。

 同委員会は、永田議員の弁明に対する各党の質疑を24日に行うことを決定、同議員の出席を求めることとした。

 懲罰は◆公開議場における戒告◆公開議場における陳謝◆一定期間の登院停止◆議員の身分を失う「除名」―の4段階で、懲罰委の審査を経て本会議で議決、議長が宣告する。

 懲罰委員会の模様は、一部テレビで中継されたほか、インターネット上でもストリーミング中継された。【了】

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