風情のある木造りの館や、館内に設えられた太鼓橋など、純和風で少し懐かしくて不思議な空間を味わえる旅館が長野市にある「中央館 清水屋旅館」です。信州・善光寺からわずか5分のお膝元にあるという旅館に泊まってみました。

信州・善光寺のお膝元 大門町の和風旅館|中央館 清水屋旅館

http://www.chuoukan-shimizuya.com/ja/index.html

中央館・清水屋旅館の所在地は、長野県長野市大門町49。北陸新幹線も停車する長野駅から善光寺方面行きのバスか、市街循環バスで約5分の距離で、キレイに整備された風景を楽しみながら歩いて行くのも良さそうです。

清水屋旅館に到着。白く輝く漆喰の壁が鮮やかですが、築160年という歴史を持つ建物とのこと。



玄関先を見てみると、漢字の旅館名に加えて英語で「SHI MI ZU YA・RYOKAN Japanese Style」と併記されています。聞くところによると、その雰囲気を求めて訪れる外国人旅行客が多く、平均して宿泊者の3割程度が海外からの客だとのこと。「SHI MI ZU YA」と一音ずつスペースが入れられているところに、読みやすくするための心遣いが感じられます。



玄関を入ると、その先に見えるのがこの光景。和風情緒あふれる木の造りが見事で、外国人旅行客はもちろん、日本人にとっても魅力的な空間が広がっています。明かりが灯され、左右に欄干を持つゆるやかな太鼓橋は、まるで別の世界への入り口であるような感覚にとらわれました。



二階へ通じる階段もこの通り。



館内は階段があちこちにあり、少し歩き回るだけでちょっとした冒険の雰囲気。階段を上り下りするだけでワクワクする感覚はなかなか味わえるものではありません。



「ギシ、ギシ」と音を立てる木の階段が、懐かしい時代に連れて行ってくれるようです。



しばし館内を散策。昔ながらの洗面台がもうけられていたり……



特に三階の造りは秀逸。建物の中にありながら、どこか別棟の離れに泊まるような感覚。



まるでどこかの古い路地に迷い込んだような雰囲気が漂っていました。



今回泊まったのは1〜2名用の六畳部屋。天井の明かりからは柔らかいオレンジ色の光が照らされています。



座卓に湯飲みと煎茶、お茶菓子というセットがとてもよく似合う六畳間。トイレ、バスは共同です。



床の間には掛け軸が掲げられていました。鉄筋コンクリートでできた近年のホテルや旅館とは違う、昔ながらの木で造られた建物全体が醸し出す雰囲気が、まるで田舎の祖父母の家に泊まりに来たような感覚を味わせてくれます。こんな雰囲気でありながら、館内は全フロアでWi-Fiを完備。



その一方で、古い造りを感じてしまう一面も。コンクリート造りの建物に比べて遮音・防音性は期待できないため、他の宿泊客が廊下を歩く音や、隣の部屋の声などが部屋に入ってきます。しかし、こればかりはどうしようもないので、「これも雰囲気の一部だ」と割り切って楽しんでしまうのが清水屋旅館を堪能する秘訣といえそうです。



食事は一階の食堂にて。3名以上の利用の場合は、個室での対応も可能とのことです。



今回は夕食・朝食付きのプランを利用。夕食は八品が並ぶ豪華なメニューでした。



野沢菜の漬物は長野ならではの一品。



春の味覚「ふき」に味噌を和えた「ふきみそ」は、ピリリと辛くてごはんにピッタリです。



ビール瓶には善光寺がプリントされたご当地ラベル。2015年は7年に1度という善光寺御開帳が4月5日から5月31日まで執り行われるので、長野に観光で訪れる絶好のチャンスといえるかも。



食事の後はお風呂へ。内部は撮影することができませんでしたが、昔ながらの銭湯のような浴室の様子は旅館のウェブサイトで見ることもできます。



一風呂浴びた後はふたたび館内を散策。そこかしこに、歴史を感じさせる調度品などを見ることができました。







これほど浴衣の似合う旅館もなかなかありません。



夜の旅館もなかなか風情がありました。



一晩明けて朝食。伝統的な和食スタイルのヘルシーな朝食で腹ごしらえして、観光に出かけるもよし、仕事に向かうもよし。



このように、善光寺のお膝元で長野の中心部とにもほど近い「中央館 清水屋旅館」は風情あふれる雰囲気を存分に味わうことができそうです。しかも、素泊まりだと5000円台から、夕食・朝食付きでも9000円台というリーズナブルな価格設定もありがたいところ。ひと味違った長野での宿泊を楽しみたい時にはうってつけといえそうです。

なお、館内の様子はGoogleストリートビューの室内版である「インドアビュー」でも思う存分堪能することができるようになっているので、あちこち歩き回ってみるのも良さそうです。