広い宇宙には地球に似たような大きさ・質量を持つ星が無数にあり、中には太陽のような恒星の周りを回る惑星で生命体が存在する星もあると考えられています。そんな中、地球に極めて似た星「Gliese 832c」が新たに発見されました。しかも、Gliese 832cは天文学的には地球から目と鼻の先の距離にあるとのことです。

The Astrophysical Journal - IOPscience

http://iopscience.iop.org/0004-637X/

A Nearby Super-Earth with the Right Temperature but Extreme Seasons - Planetary Habitability Laboratory @ UPR Arecibo

http://phl.upr.edu/press-releases/gliese832

Gliese 832c: Potentially Habitable Super-Earth Discovered 16 Light-Years Away | Astronomy | Sci-News.com

http://www.sci-news.com/astronomy/science-gliese832c-potentially-habitable-super-earth-02029.html

つる座に存在する太陽の半分程度の質量を持つ「Gliese 832(グリーゼ832)」は、地球から16.1光年(約152兆キロメートル)の距離にある恒星で1983年に発見されていました。このグリーゼ832の惑星として、地球に非常に似た環境を持つ星「Gliese 832c(グリーゼ832c)」を、ニューサウスウェールズ大学のクリス・ティニー教授らの研究チームが発見しました。



グリーゼ832cは地球の5.4倍の質量を持つ星で、グリーゼ832に対する公転周期は35.68日、グリーゼ832から受ける平均エネルギーは地球が太陽から受ける平均エネルギーとほぼ同じで、大気を持ち地球と極めて近い気温であると考えられています。ティニー教授は「グリーゼ832cは季節の移り変わりは地球よりも極端ですが、地球と極めて似た大気と環境を有しており生命体が存在する可能性が高い」と述べています。また、地球との類似性を表す指標「Earth Similarity Index(ESI:地球類似性インデックス)」では、グリーゼ832cはESI=0.81で、これはグリーゼ667Ccの0.84、ケプラー62eの0.83に次ぐ第3位で、地球に近い星ベスト3に食い込んできています。



なお、地球から約16光年(約150兆キロメートル)というグリーゼ832cまでの距離は、果てしなく広い宇宙のスケールでいえば「目と鼻の先」とのこと。ただし、天文学的には目と鼻の先でも、地球からグリーゼ832cに到達するには、最高の航海速度を誇る宇宙船ヘリオスでも約6万8000年かかる計算になります。