世間は五輪一色。日曜日のフジテレビ「新報道2001」も五輪、スポーツ行政がテーマだった。

日本に比べてアメリカなど海外のアスリートに対する保障は厚い。

古田敦也などが選手の生涯保障が、モチベーションにつながると話したが、為末大は少し違和感があると発言した。

すると、中国人の経済評論家宋文洲が「あなた、きれいごといったってだめですよ。僕は、個人にポンと何かくれるというのは大事と思うんですよ」、そして、「今回、日本が金メダルが少ないのは、これが最大の理由だと思うんですよ」と発言。

為末は「中国は、金メダリストを創るために、途中で結構な人の人生を苦しめていますから」と返す。

宋は「それはきれいごとですよ、(選手は)納得してやっているんですから。強制していませんからそれでいいじゃん」と応酬。

為末が「でも、半分くらい潰れている」と言いかけると、宋は「厳しい競争、戦いに、自分が納得して飛び込むのがスポーツ。みんなで一番になりましょう、なんて言っているから金取れないんですよ」と言った。

宋さんは、日本人の反発を買いそうなことをどんどん言う。日本では、猛烈な逆風だろうが、自分の役どころをわかっているのだろう。率直に話すことで、日中の違いが浮き彫りになる。

まだ伸びシロを模索する中国にとって、スポーツは戦争なのだ。脱落して人生の落伍者になるアスリートはさしづめ“戦死者”か。

日本は中国のようなスポーツ政策をとることはできないだろう。

それで銀、銅を大量にコレクションできるのなら、それはそれでいいような気がする。少なくとも、スポーツをしたことで「人生の落伍者」になる人は生み出していない筈だから。