続いてイニング別の被打撃成績を見てみよう。
これも予想がつくのだが。

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13回の登板でダルビッシュは初回に7点を失っている。四球も9つ。立ち上がりが重要なことは、これでわかる。しかしダルは3,4回にも大きな失点をしている。これは打戦の二順目、三順目に捕まっているということだ。
打順別の被打撃成績を見るとよくわかる。

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ダルビッシュは1番打者に良く打たれているのだ。1番が起点となる回に失点をしていることが分かる。反対に4番打者は良く抑えている。むしろ下位打線に打ち込まれている。よく言われるように、ダルビッシュは下位と対戦するときに手を抜くことがある。速球を投げずにカーブやスライダーで打ち取ろうとする。そこを狙い打たれることが多いのだ。

ダルビッシュだけではないが、最初の打席でいい当たりをされた打者には、立て続けに痛打を食らうことが多い。特に立ち上がり、1番打者に打たれると、2順目、3順目にも危機を招くことが多いのだ。

またダルビッシュはスラッガータイプよりもミートが巧みな打者が苦手なのだ。その典型がイチローなのかもしれないが。

さて、最後に捕手別の記録を見てみよう。正捕手ナポリと控え捕手トレアルバで、どれだけ成績が違うのか?

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ともに4勝をあげてはいるが、負けはナポリ3敗、トレアルバ1敗。ERAでも大きな差がある。被安打率、与四球率(BB9)、奪三振率(SO9)でもトレアルバがずっといい。

注目していただきたいのはBF/NP。これは打者1人当たりに投げる投球数。ナポリは3.72、トレアルバは4.07.わずかの差のように見えるが、ナポリがアメリカのキャッチャーらしく早いカウントから勝負をしようとするのに対し、トレアルバは少しだけ慎重なのだ。

ナポリのときに4死球というのも相性の悪さを感じる。

これだけ差がつけば、ダルビッシュのときはトレアルバに固定してもらいたいものだが、ナポリはオールスターに選ばれようかと言う強打の捕手である。打戦には欠かせない。ダルのときだけいつもナポリを休ませたり、一塁にまわしたりできるわけではない。

こうして見ると、ダルの課題が具体的に上がってくる。
左打者の出塁、立ち上がり対策、1番打者対策、そしてナポリとの相性の改善。
これがクリアされれば、ダルは無敵になるのだろう。