チャンピオンシップラウンドと呼ばれる4Rに突入した王座戦。ジョンソンの動きは落ちることなく、鋭い右ローを放っていく。王者よりもスイッチを多用するジョンソンに対し、ドミニクはいつものように距離をコントロールできない。それでも接近戦やレスリングの展開で有利な態勢を作る王者だが、明らかに手数は少なくなってきた。

それでも、ケージにジョンソンを押し込んでダブルレッグでテイクダウンを奪ったドミニクが再びトップキープに。ハーフから足を伸ばしに掛かったジョンソンだが、この動きによって足を抜かれ、そのままマウントを許してしまう。

脇を抱えるジョンソンは、バタフライガードに戻すが、下になった展開が続く。頭を起こしたジョンソンは、ドミニクのシングルから逃れて打撃戦へ。距離を詰めて、左から右ハイを伸ばしたジョンソン。スタミナは挑戦者の方があるように見えるが、ドミニクはここでも組みついてテイクダウンを奪う。

残り20秒、立ち上がったジョンソンにヒザを入れた王者。ジョンソンも左ハイを見せるが、シングルに捉えられたカタチで4Rがタイムアップとなる。

試合は最終ラウンドへ。両者、左手を合わせて、最後の5分間へ。ここにきてギアを上げた挑戦者が、パンチの連打、蹴りを見せるが、バックに回ったドミニクが、再びバックスープレックスを見せる。そのままサイドに回る巧みさを持つのが、彼の強味だ。

サイドでトップをキープし、足を戻してきても、なお首を殺しながらパンチを落としていく。インサイドガードからエルボーを落とした王者。ジョンソンも本来は巧みなガードワークを持つが、ケージまで移動して立ち上がろうと抵抗するので精いっぱいだ。

その立ち上がる動作を潰していくドミニクだが、チャレンジャーは残り2分半となってスタンドに戻ることに成功する。ヒザ蹴りからアッパーを見せたジョンソン。ドミニクは冷静にかわして中央に戻ると、真っ直ぐケージに押し込まれながら、小手を決めて投げを見せ、立ち上がったジョンソンが、組みついてきても再び同体で投げた。

そして、残り1分、前に出てきたジョンソンにダブルレッグを決め、そのままマウントへ。背中を見せるジョンソンのワキを差すが、ジョンソンは暴れて立ち上がる。時間を確認したジョンソンが、逆転を賭けて前進するが、ここでも王者はダブルレッグを決め、5Rの戦いの総仕上げを見せた。

スピードだけでは挑戦者に分があったかもしれない世界戦。王者ドミニクは、組み際の強さを発揮し、独特のステップワークが封じられてなお、その強さを見せつけた。判定は、50-45が二人、49-46が一人という完璧な強さで、ドミニクが王座防衛に成功した。

「彼は凄くタフだった。彼のスピードは分かっていたから、驚くことはなかった。今日は少し僕のグラップリングを見せたけど、彼はタップをしなかった。2度ほど、深くチョークが入ったけど彼はタップしなかった。それが世界最高レベルの戦いだよ。僕はここで歴史を作る」と王者はクールなコメントを残して、完勝劇を振り返り、対するジョンソンは、「ラッシュを掛けるのが早かった」と左頬を大きく腫らして語った。
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