斎藤佑樹、今季一番の投球|2011年NPBペナントレース

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昨日の埼玉西武戦での斎藤佑樹は97球で速球が40球。前回楽天戦は78球中22球。やはり速球主体で投げるときに、斎藤の持ち味は発揮される。2シームの速球はよく動いていて、空振りを4つ奪った。速球での空振りは、今季これまで合わせて3つしかなかったのだ。

1回は速球がストライクゾーンに決まらず、中島にはセンター前に落とされて満塁にピンチを招いたが、ここでフェルナンデス、坂田を冷静に抑えたことで斎藤は落ち着いたようだ。

終始攻めていたという印象だ。西武打線は5/1の対戦時よりも元気がなかったが、斎藤は速球を主体に投球を組み立てた。そうなると、スライダーが生きてくる。3者凡退は1度だけだったが、ランナーを背負っても冷静な、斎藤本来の投球だったといえよう。

ただ、不満が残ったのは、中村剛也に2回続けて四球を与えたこと。外角低めに球を集めすぎていた。しかし、最後の対戦で、速球とスライダーの緩急差で見事三振を奪った。

若い斎藤は、やはり捕手によって投球内容が大きく違ってくる。これまで一番多く組んでいる大野は、当初は攻めのリードも見られたのだが、次第に変化球でかわす組立てになって、斎藤の持ち味が生かせなくなっていた。今回初めて組んだ鶴岡は、6/29千葉ロッテ戦の今成と同様、攻めの姿勢で斎藤をリードした。さすが正捕手である。斎藤自身のコンディションも良かったのだろう。

ただ、5回97球という球数はあまりにも多い。攻めが遅いという課題は残った。

それにしても梨田監督は、しり上がりに調子が良くなった斎藤をなぜ5回で下したのだろう。下位打線に回るところだったし、もう1イニング、110球までは見てみたかった。

今季一番の出来だっただけに残念だ。