7月にアルゼンチンで行われるコパ・アメリカ(南米選手権)に出場するか否か、日本サッカー協会が苦慮しているね。

参加を辞退する、という一報が流れたのは5日のことだ。小倉会長がアルゼンチンを訪問し、参加を辞退する意向を示し、それが了承されたとのことだった。南米サッカー連盟のホームページ上でも発表され、日本のテレビでも「震災の影響で参加辞退を決定した」というニュースが流れた。

ところがその直後、アルゼンチンサッカー協会が、日本に対して参加辞退を考え直すよう促しているとの報が入った。それを受け、日本サッカー協会は15日を回答期限とし、再度検討するようだ。

僕は、なんとしてもコパ・アメリカに参加するべきだと思っている。そもそも、参加を辞退しなければならない理由は、震災の影響でJリーグの日程がずれ込み、本来中断期間であった7月に試合を消化せねばならず、満足に代表チームを組めないから、ということだった。

しかし、あくまでJリーグの理念は、「日本代表を強くすること」のはずだ。Jリーグのために日本代表が活動しないのは、本末転倒とも言える。それに、参加を取りやめるのは、相手に非常に迷惑のかかる話でもある。国内リーグのスケジュールの関係で行けません、というのでは、相手に対して失礼だよね。

Jリーグ側が悲鳴を上げる事情はわかる。確かに日程調整は大変だ。けれど、大変なのはJリーグだけじゃないよ。今年は、「無理をする一年」なんだ。その覚悟をみんなが持たなければならないんだ。本当に代表チームを組むことは不可能なの? 無理は承知の上で、無理をしようよ。代表選手がいない間もリーグ戦を続ければいいじゃないか。代表選手がいようがいまいが、地域密着というJリーグの理念は侵されないはずだよ。

大阪では素晴らしいチャリティマッチを開催できた。「がんばろうニッポン!」という胸のエンブレムの下に、サッカーの持つ力で暗い日本を照らすことができた。日本代表は、日本を一つにすることができる。

どんな形でもいいから、コパ・アメリカには参加すべきだと思う。サッカー界として、やれることはやるべきだ。復興のユニフォームを着た僕らの日本代表がゴールを決める姿を、みんなが心待ちにしているはずだよ。(了)