PCの出荷台数が過去最高を記録した2010年、ブロードバンドも急激な広がりを見せた。今後も、総務省が進めている光の道が整備されることで、光ブロードバンド回線が一段と普及する勢いだ。
野村総合研究所は、2015年度までの国内を中心とするIT主要5市場の分析と規模を調査し、ブロードバンド回線が全世帯の7割まで広がると予測しているのだ。
ブロードバンド関連サービス市場では、光ファイバー回線の加入者が順調に伸びていくとしている。成長率は次第に鈍化するが、2015年度末には、ブロードバンド回線全体で約3700万件加入(金額規模が2兆1200億円)と全世帯の約7割まで拡大する。一方、法人のネットワークでは、従来型の専用線などからインターネットなどを使った新しいWANサービスへの移行が進む。コストパフォーマンスが大幅に向上することで、金額規模では2010年度の約8700億円から2015年度は約7500億円まで縮小するとした。

加入者数では、2010年度は光ファイバーが1726万件、CATVが435万件、ADSLが954万件だったのが、2015年度は光ファイバーが2669万件、CATVが487万件、ADSLが511万件になると予測している。光ファイバーが約1.5倍になる代わりにADSLが約半数になるとのことだ。

データ通信量の大幅な増加、クラウドコンピューティングの活用などから、データセンターが注目を集めるようになってきた。このように情報システムは、社内に所有することから、社外のものを利用することへの変化が急速に進むことで、SaaSやISPの需要が高まっているのだ。SaaS、ASPをあわせた市場規模は2010年度の約1兆6960億円から2015年度には2兆8390億円まで、年率10%を超える勢いで拡大すると予測している。ただし、海外ITベンダーの参入により、競争が激化してくるとのこと。

もはや社会と切り離せなくなったインターネットだが、光の道、クラウドといった変化に合わせて、今後も新たな利用方法が広がりを見せていきそうだ。

野村総合研究所

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