2008-09年シーズンに松井大輔が在籍したサンテティエンヌがリーグ・アン第6節を終えた時点で4勝1敗1引き分けと好調、29年ぶりに首位に立っている。

 リーグ優勝10度、60〜70年代には4連覇と3連覇を成し遂げたかつての強豪。しかしその後は低迷し、2004年にリーグ・アンに返り咲いた後も2007-08年シーズンが5位が最高で、ここ数年は毎シーズン降格の危機にさらされてきた。

 それが一転して快調なスタートを切った秘密は、昨年12月に就任したクリストフ・ガルティエ監督(44)の手腕にあるとレキップ紙は分析している。ガルティエ氏はそれまで、長い間アラン・ペラン氏のアシスタントコーチを務めてきた。ペラン氏が監督として招聘されるたびにクラブを転々とし、その中にはリヨンやポーツマスも含まれる。

 ペラン氏がサンテティエンヌを解任された昨年12月に監督のバトンを受けた。21試合で勝ち点25を上乗せし、ギリギリながらも1部残留という最大の目標をクリアした。

 新監督のさまざまな面での手腕と努力が6ヶ月で実を結びつつあると言っていい。レキップ紙によると、チームがまとまっている最大の理由は、選手たちが監督に寄せる信頼の厚さにある。

 MFバカリ・サコは同紙に「監督は半年間でチーム・スピリットをつくりあげる努力をした。彼は、クラブが選手たちだけで成り立っているのではないと説明して、われわれの目を開かせてくれた。事務職員、ピッチキーパー、食事係、ありとあらゆるスタッフの仕事があって、選手たちはそれを結果に結びつける役割を負っていると」と大きな意識革命があった一例を示した。

 「監督室はつねに開かれていて、選手たちの声に耳を傾けてくれる」(サコ)というガルティエ監督。才能豊かな若手の開花に加えて、オフの的確な補強で、上位を争うチーム態勢が整った。

 25日は、サンテティエンヌと対照的に不振にあえぐリヨンとのダービー。ここで元王者を叩いてスタートダッシュを確実にしておきたいところだ。