13日の水曜日、ミランはカップ戦を戦う。センターFWとしてスタメン出場するはずなのが、フィリッポ・インザーギだ。一見すると普通のことのようだが、実際はそうではない。カップ戦ではあるが、チャンピオンズリーグではなくコッパ・イタリアなのだ。控え選手や負傷明けの選手が出場する大会であり、インザーギはレオナルド監督の下で控えだから、13日のノヴァーラ戦に出場するのである。

インザーギはミランのなかでもっとも起用されていないストライカーであり(フンテラールより9分間少ない)、スタメン出場ももっとも少ない(フンテラールの5回に対して2回)。最後に試合に出たのは12月13日のパレルモ戦で、スタメン出場に至っては10月28日が最後となっている。インザーギが最後にコッパ・イタリアの試合に出場したのは、2007年1月31日。約3年も前のことだ。

考えることは十分にあるだろう。インザーギはメディアで気持ちを爆発させることは避けているが、友人たちにはその居心地の悪さを明かしている。ピッポはフンテラールにも抜かれたと感じており、レオナルド監督がなぜ自分をまったく起用しないのか理解できていないのだ。そのように現状に失望しても、彼はまだ他チームからのオファーを検討することはしていない。ただ、すでにガッリアーニ副会長と話し合い、実質的に準備できているミランとの契約延長にもまだサインはしていないのだ。

ミランとの契約延長は、約30%の減額となる年俸200万ユーロがベースとなっている。だが、ピッポが求めているのはお金ではなく、自分への配慮だ。ジェノア戦でミランは大きなリードを奪っていたにもかかわらず、彼に出場機会はなく、インザーギはウォームアップすらしなかった。36歳の彼は楽しむため、チームの役に立つため、そして自分が大切に思っている記録を打ち破るために戦っている。それはヨーロッパカップ戦の最多得点と、プロ最多得点、そしてミランでの最多得点という3つの記録だ。

その威厳と歴史から、彼は脇役としてではなく、主役として現役を引退するはずだ。だからこそ、彼は事実をもって、レオナルド監督に説明をしようと試みるだろう。契約延長の書類にサインをする前に…。