インタビュー：渡部豪太「田中美保ちゃんはライバル」
原作は、０７年山本周五郎賞を受賞した森見登美彦の同名小説。脚本・演出は劇団桟敷童子を主宰する東憲司が手がける。３月８日に２３歳の誕生日を迎えたばかりの渡部に、初舞台への意気込みや、共演の田中美保の印象などについて聞いた。
――舞台「夜は短し歩けよ乙女」は、どんな物語なんですか？
渡部豪太（以降、渡部）：僕が演じるのは、京都の大学生で、サークルに所属しているんですが、そこに田中美保ちゃん演じる乙女が入ってきて、その子に一目惚れをして、仲良くなりたいんですけど、ほんとに遠回りします。「外堀を埋める作業」と彼は言っているんですけど、要は、ストーカーです（笑）。アナログなストーカーですね。イタ電とかじゃなくて、彼女の行く先々に先回りして、偶然を装う。そこで、いろんな人達とドラマを巻き起こしていきます。――見どころは？
渡部：へんてこなキャラクターが出てくるんですけど、奇々怪々にめまぐるしくドラマが起こるんですよ。それが一つに繋がっていく。いろんなキャラクターがそれぞれの思いを持ってやっているんですが、たぶん、傍から見たら、バカバカしいんですね。そのバカバカしさを楽しんでいただくところが見どころかなと思います。これを見て得るものって個々にあると思うんですけど、僕のキャラクターを通して言わせていただければ、いい意味でのアホらしさ、ですかね。――役の大学生と、実際の渡部さんとの共通点は？
渡部：彼って、すごく女の子に対して遠回りなんですが、実際の渡部豪太はそんなんじゃなくって、素敵だなって思ったら、声をかけてしまいます。そこは全然似ていないんですが、彼は一つの物事に対して丁寧。すごく考える。そういうところは共感できますね。――舞台とドラマの違いは？
渡部：全てじゃないですかね。ドラマって瞬間瞬間じゃないですか。台本を頂いて、読んで、現場に行って、ほんの数分で撮影して、それを繋げていく。舞台は１カ月なら、１カ月、皆さんと作り込んでっていう作業を経て、お客様に見せる。毎日違うし、毎日新しいし、正解なんか一つもないし、楽しいですね。いまはまだ作っている段階ですが、例えば、幕が開いてから閉じるまで、最後までやらなきゃいけない。それは楽しいですね。美味しくご飯を食べているのに、「カット」って言われて、「あれ、いま食べ始めたのに」っていうことがない。食べ始めたら、「ごちそうさま」まで出来るから、楽しいですね。――稽古場の雰囲気はどうですか？
渡部：皆さんにすごくよくしていただいていて、雰囲気はとてもいいですよ。スタッフの方含めて、この作品が好きでやっているから。個々の性格はまだ知らない部分も多いですけど、すごく楽しいです。さっきから、楽しいばかり言ってますね（笑）。でも、ほんとに楽しいんですよ。――同じく舞台初挑戦となる田中美保さんの印象は？
渡部：とにかく、一所懸命なんですよ。だから、僕も負けてられないなと。ライバルとして僕は見てますけどね。
