昨年の大みそかに放送された「第59回NHK紅白歌合戦」。例年にない高視聴率をたたき出したが、「ポニョ」や、「羞恥心」などこれまでに無い程他局に媚びた演出となった。NHKの威厳はもはや消えたのか。

目を疑ったのが、フジテレビ系クイズ番組「クイズ!ヘキサゴン2」から誕生した「羞恥心 with Pabo」。その応援ゲストとして、小島よしおをはじめとした沢山のお笑い芸人が場を盛り上げたのは良かったが、同番組の司会者中村仁美フジテレビアナウンサーが、堂々とフジの目玉マークのTシャツを着て飛び出してきた。“NHKジャック”と題して話題にしたかったのか、フジテレビは裏番組で「ヘキサゴン」風のスペシャル番組を放送中に紅白を中継し、羞恥心とPaboの6人を掛け持ち出演させるなどバタバタと落ち着かない視聴率稼ぎに精を出す。

フジの中村アナの登場は、NHKからの打診だったというが、目玉マークまでOKなのか。DJ OZMAの裸スーツをアーティスト表現として理解しないNHKは、他局発の人気者を紅白に出場させるかわりにこんな“いやらしい”条件を飲むのだろうか。

司会の大役を務めるSMAPの中居正広が扇子に「釣瓶見てるかい(貝)」と書いてTBS制作の主演映画をコソコソ宣伝する姿も不快に思った。Mr.children の初出場もオリンピック主題歌というより中居の顔を立てる為だったのか疑ってしまう。紅白歌合戦は、コマーシャルの場では無い。一年の話題をさりげなく振り返る事に意味があるのではないだろうか。

視聴率集めになりふりかまわずのNHK。数年前の終戦60周年の年の紅白では、広島の原爆ドームから吉永小百合が原爆の詩を朗読する中継をお祭りムードの中盤にドドーンと挟み込んだ。こんな威厳のある演出はNHKしかできない。NHKが民放化するのは危険な事でもあるのだ。

ここまでくると昨年末ネット上で話題になった、和田アキ子の過激発言も少しは理解できる。話題性だけで歌唱力の低い新人を大量投入するのもどうかと。アッコは若い歌手にではなく、NHKのゆるんだ姿勢に腹を立てたのではないか。

テレビでよく見る若手や、ベテラン演歌歌手については期待通りの“予定調和”と言えば聞こえはよいが、さして目新しさを感じずあまり印象に残らない。その中で、昨年大ヒットした『相棒』については触れずに、再ヒットした懐メロ『カルフォルニア・コネクション』をシャイに歌った水谷豊と、日本テレビの深夜番組からプロとして認められた木山裕策が、地味ながら光っていた。

(編集部: クリスタルたまき)

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